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このページでは音楽制作エンジニア、葛巻善郎日々の出来事をつづります。

Disco & Soul !

アルソ出版から藤野美由紀さんの「サックス・コンセプト・ブック Disco & Soul」が発売になりました。 前作「Funk & Soul」が好評だったための続編で、前作が打ち込みオケとサックスという編成だったのに対し、今作はなんと贅沢にもバンド録音。 レコーディングからマスタリングまで、全てのエンジニアリングを僕が担当しています。

アルソ出版

http://www.alsoj.com/

レコーディングは8月中旬、アルソ出版の社有スタジオである山中湖の Studio Upfield で2日間行いました。 猛暑真っ只中の都内を抜け出し、山中湖は涼しかったです。

アルソ出版の出版物の音源はほとんど Studio Upfield で録られています。 ドラムのレコーディングも数多くありましたが、今まではジャズ編成、ロック編成のドラムを録るのは初めてではないでしょうか。
下の写真がスタジオ (ホール)の全景、天井が高く、良く響きます。 まずドラムをセットし、同じ部屋にベース・ギター・キーボードをセッティング、オケは一発録りです。 扉写真以外、全ての写真はクリックすると拡大します。

過ぎ去りし日の ・・・

Tube Delay by Softube

11月

君の歌

Mellowmuse Vintage Bundle

ON FIRE

10月

うたのゆくさき

煩悩 108

Aoyama Folk Ways

9月

A STAR LIGHT IN MY LIFE

Decapitator

8月

Japan Fire 4

天国のような霧

続いて竹内勝さんのドラム、まずはセット全体の様子です。 チャンネル数の関係でいつもよりマイクの数はちょっと少なめ、Subkick は使いませんでした。 キックにはリボン・マイク Crowley and Tripp Recordist のみ、あとはいつもと同じで スネアに Audix D-1、タムに Audix D-2、ハイハットに MEARI 319-A8、そしてトップには RODE NT-4 です。
竹内さんのバスドラムには写真のような Kickport が取り付けられていました。 これは低音とアタックを増強するもので、デニス・チェンバースなども使っているようです。 確かに良い感じで録れました。 そしてハイハットは写真のように Reclexion Filter をセッティングして上からの反射音が入るのを止めています。

ベースは最近ずっと愛用している Summit Audio TD-100 を使い、プリ・アウトと DI アウトをそれぞれ録音、キーボードももちろんライン録りです。 ギターはオケ録りの時はシミュレータでのライン録り、そしてそれを全て差し替えました。 下の写真が森アキオさん愛用の Dr.Z のギター・アンプ、マイクはキャビネット近くに Crowley and Tripp Naked Eye、そしてオフ・マイクに audio-technica AT4050 を使っています。 写真ではオフ・マイクがだいぶ離れているように見えますが、2〜3m くらいです。 AT4050 はオケ録りの時のアンビエンス・マイクとしても使っています。 アンプの電源を REQST Z-PRC01 PLAYER に替えたことも手伝い、実に素晴らしいサウンドでした。

藤野さんのサックスはオケ録りの時は別室で仮テイクを録り、本チャンはホールでオン・マイクに RODE K2、そしてもちろんアンビエンスも録ってます。
そして次の写真は持って行ったプリ・アンプ類、いつものように基本は api 3124+ です。 今回チャンネル数が多くないので、ATI 8MX2 は使わず、しかし久しぶりに AMEK 9098 DMA を持って行きました。 これは真空管マイクやリボン・マイクにはバッチリで、サックスのオン・マイクのプリを、メローな曲やバラードの時は api、イケイケの曲の時は AMEK に切り替えて録りましたがこれが大正解、どっちの音も良かったです。

2日間で全6曲とソロを別テイクで、そして MC なども録るというかなりのハード・スケジュール、しかしみなさんの素晴らしい集中力のおかげでなんとか予定通り録り終えたのでした。

そして下の写真がミックス画面、ヴォーカル類がないので、僕のセッションとしては比較的少ないチャンネル数です。
キックはマイク1本ですが、それをさらにコピーして3つに増やし、DRUMAGOG のテクノ・キックのサンプルと、オケ録りの後に録った竹内さんのサンプルを足しています(竹内さんのサンプルはトップとアンビエンス・マイクの音も加えてステレオに)。 スネアも上下のマイクと、さらに DRUMAGOG のサンプルを少し足しています。 ドラムのリプレースは今年の春から始めましたが、試行錯誤を経てこのやり方に落ち着きました。 こうすると生の良さとバランスはキープしつつ、キックとスネアの迫力をサンプルの出し具合で調節でき、かなり理想的なサウンドが作れます。
ギターとサックスも全て差し替えてホールでアンビエンスと一緒に録れたので、最初に思い描いていた通りのミックスができました。 ギターはこの時期に購入した Softube の Tube Daly をオフ・マイクに常にかけ、さらにごきげんなサウンドになっています。

収録曲はディスコ&ソウルの名曲揃い、「What Cha' Gonna Do for Me」に始まり、「Fantasy」「I Feel Good」「Me And Mrs.Jones」「Lady Marmalade」「Can't Take My Eyes Off You 」と続きます。
昼間車の中で聴いたりすると最高ですよ、ぜひ聴いてください!