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このページでは音楽制作エンジニア、葛巻善郎日々の出来事をつづります。

Decapitator

今年春にリリースされ、以来愛用しているプラグインが SoundToys Decapitator (扉写真、クリックすると拡大) です。 SoundToys といえば EchoBoy や FilterFreak、PhaseMistress などがよく知られていますが、その最終出力段階に装備された「Analog Mode」を独立させ、さらにブラッシュ・アップしたもので、アナログ機器をドライブした時に生じるサチュレーションをモデリングしたプラグインです。

アナログ・シミュレートのプラグインは大好きで、PSP Audio Vintage Warmer を始め Antares VOX Warm、DUY DAD Valve、Massey Plug-ins Tape Head、Waves Arts Tube Saturator など多数所有しています。 それぞれ素晴らしく、ミックスにおいてはなるべく多くのアナログ系プラグインを使って様々な質感を演出しています。
そして今回そのラインナップに加わったこの Decapitator、後発だけあって実に素晴らしいです。 いじるパラメータはけっこうありますが、どれも変化がわかりやすく、すぐにマスターできると思います。
まず、一番下にある Style、5つの基本スタイルを選びます。 これは元になっているモデルを選択するもので、Ampex 350、Chandler/EMI TG Channel、Neve 1057 input channel、Thermionic Culture Culture Vulture triode setting、Thermionic Culture Culture Vulture pentode setting の中から選びます。 デフォルトは Ampex なのでついついそのまま使ってしまいますが、他の4つも好印象でした。

モデルを決定した後は細かく音作りしていきます。 左側に大きく表示されている Drive はやはり一番重要で、ゲインと歪み具合を調整します。 そして、その後 Low Cut、Tone、High Cut で微調整するのですが、このフィルターが素晴らしく、簡単に最適な質感にコントロールできます。 最後に Output と Mix で最終音量を調整、Mix は原音とエフェクト音とのバランスを調整できるので便利です。

8月

Japan Fire 4

天国のような霧

Speak Louder !!

大掃除

7月

音響のアルチザン

レコーディングの教科書

ALL-TECH 9063B EQ

バラとひまわり

6月

ヒプノシスと共に紡ぎ出す、英国プログレの多様性

朝鮮舞踊の緋緞道

悔悛と歓喜

ショパンに恋して

5月

2月から続いている曾我泰久さんのレコーディングで、タイトル・トラック(まだ内緒ですが) のギター・ソロがビートルズ風なので試しに Decapitator をインサートしてみたらすごく良く、以来他の曲でもかなり使っています。 ドラムやギター、そして僕は今のところ使っていませんがヴォーカルにインサートすれば、オケの中で一段目立つ質感を簡単に作り出せます。 そのトラックのヴォリュームを上げる代わりに、Decapitator を挟み軽くドライヴさせれば、ヴォリュームを上げずに存在感を増す、という効果が得られます。 そして、ストリングスなどのキーボード系を軽くドライヴさせ、小さい音量で奥にいるのにはっきりと存在を感じさせる、などいろいろな使い方ができると思います。

黒を基調としたデザインも僕好みで、これからしばらく愛用のプラグインとなりそうです。 同じ時期にリリースされた PanMan もまた面白く実用的なプラグインなので、いずれ紹介しますね。