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このページでは音楽制作エンジニア、葛巻善郎日々の出来事をつづります。

Aoyama Folk Ways

毎年8月末から9月にかけて、青山学院大学のバンド・サークル Aoyama Folk Ways (以下 A.F.W.) のCD制作をやっています。 僕の最初の勤務先であるスタジオ・ラウム 338 の時からのお付き合いで、今年でなんと14枚目になります。

僕の仕事場の環境に合わせてレコーディングの方法も変わってきているのですが、ここ何年かはドラムをレコーディング・スタジオで録り、残りのパートを僕の本拠地 Studio CMpunch で1バンド1日かけて録り、その日のうちにミックスまで仕上げる、という感じでやっています。 今年のドラム録りは他の仕事でもよく使っている芦花公園の Stduio Foresta、そして今回初めて使う池尻大橋の Flash Music Studio で3日間かけて行いました。 扉写真と下の2枚がその時の写真です。

9月

A STAR LIGHT IN MY LIFE

Decapitator

8月

Japan Fire 4

天国のような霧

Speak Louder !!

大掃除

7月

音響のアルチザン

レコーディングの教科書

ALL-TECH 9063B EQ

バラとひまわり

6月

ヒプノシスと共に紡ぎ出す、英国プログレの多様性

朝鮮舞踊の緋緞道

この仕事はいろいろな意味で他の仕事と大きく違う点がいくつかあるのですが、僕は全てのお仕事を同じスタンスで手がけていますし、A.F.W. のレコーディングならではのお楽しみや、もちろん学ぶことも多く、毎年楽しみにしています。
まず、同じ楽器・同じレコーディング機材を使って、何人かの演奏を録る、これは普段なかなかできないことです。 また今年の場合、Flash Music Studio では設備・回線の都合によって僕が愛用しているマイク・プリ api 3124+ が使えなかったので、マイク・プリは全てスタジオのもので録ったのですが、これをミックスによって Studio Foresta で録った api の音に少しでも近づける、みたいなこともとても勉強になります。

そして、A.F.W. のレコーディングで僕が特にこだわっていることがいくつかあります。 まず修正はしない、音程やリズムの修正は絶対にしません。 それから、レコーディングの醍醐味である「足し算のマジック」をみんなで味わう、ということです。 僕やバンマスが中心になって進めていくのですが、どのパートも必ず本人が納得するまでテイクを重ねますし、ミックスもなるべく短時間で仕上げ、メンバーみんなで1つの曲を作り上げる、という経験をしてもらいたいのです。 これらは普段の仕事でも意識していますし僕は基本的に修正はしないのですが、特にこの A.F.W. のレコーディングでは強く意識するようにしています。
みなさん学生なので演奏力がずば抜けて上手いわけではありません。 場合によっては Pro Tools の便利な機能を使えば聴きやすい仕上がりになっていくと思います。 しかし絶対にそんなことはせず、例えばドラマーのミスをベーシストが補い、みたいに次に録る人が前のテイクをよく聴いて重ねていくことによって、いつの間にかバンドとして良い演奏になっていくのです。 これらの「足し算のマジック」を間近で見、たまにはちょっとしたアドバイスもする、すごく勉強になるのです。

そんなわけで、今年のCDは音楽委員長 岩田仁君と一緒に、ほぼ半分が終わりました。 初日のバンド「HINT」の時はなぜか忘れてしまいましたが、ミックス終了後にはみなさんで記念撮影、順番に「僕と私」「トレモロ」「ゴチ坊主」「Little Boy」「グレイもん」のみなさんです。
グレイもん の関根君がやたらと大きく見えますが、これは実際に大きい上に、さらに遠近法のマジックも使っています (^_^;)