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このページでは音楽制作エンジニア、葛巻善郎日々の出来事をつづります。 |
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君の歌 |
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シンガー 曾我泰久さんのソロ・デビュー20周年記念盤「君の歌」がリリースされました。 曾我さんにとって初めての「レコード屋さんで買える」CDです。 |
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曾我 泰久 |
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http://soga21.com/index.html |
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今までのCD「Super Rare Trax」シリーズと「Music Life」シリーズは、旬の曲を届けようという趣旨の下、基本的に曾我さんが全ての演奏とプログラミングをし、収録曲が少ないこともあって、実質のレコーディング期間は1〜2週間程度でした。 歌録りは2日間ほどで全てやってしまったこともあります。 しかしこの「君の歌」、最初にリズム・セクションを録ったのは3月2日なので制作期間約半年!、その間少し間が空いたりもしていますが、ほぼずっとこのCDのレコーディングやミックスをやっていました。 |
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そしてこのアルバム、光栄なことに僕のレコーディング本とコラボしているのです。 本には曾我さんとの対談コーナーがあり、詳しいいきさつなども述べているので、レコーディング・エンジニアのためのガイド本ですが、曾我さんのファンも楽しめる内容になっていると思います。 その他、参加ミュージシャンにも協力してもらい、ドラム一つ一つの音や、マイクの種類によるサウンドの違いなどを音で収録、かなり興味深い内容になっていると思います。 |
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レコーディング期間は長かった、と書きましたが、レコーディング・スタジオでの録りはたった3日間、バンド録りが2日、弦カル録りが1日だけです。 今回のバンド・メンバーは曾我さんのたっぷりの思い入れで集まった3名、ドラムに長谷部徹さん、ベースが松原秀樹さん、そしてキーボードが小野澤篤さんです。 |
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秀樹さんのベースはラインのみで録音、最近ずっと愛用しているプリ・アンプ付きの DI、Summit Audio TD-100 のプリ・アンプ・アウトとプリを通らない DI アウトを両方録っています。 プリ・アンプ・アウトはさらに api 3124+ で軽くドライブさせ、基本的にはこのチャンネルをメインで使っています。 これが実に素晴らしいサウンドだったので、ミックスでも通常使うことの多いアンプ・シミュレータを使わず (一部の曲では使用)、コンプとほんの少しの EQ だけ使いました。 |
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アルバム収録曲は、これまでの曾我さんのソロ・アルバムからの選曲、つまり既に発表された曲ばかりなのですが、このアルバムのためにアレンジをやり直し、打ち込みは一切使わず、全て生演奏です。 |
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そんなわけでレコーディング期間が長かった、というのは主に曾我さんの歌録りです。 並行してレギュラー・バンドでの20周年記念ライヴ、ソロでの弾き語りライヴ、そして近年力を入れている新しいバンド活動なども同時に進行していたので、今年は常に歌いっぱなし、コンディションを整えるのがたいへんだったと思います。 何度も何度も歌い直し、一度 OK になったテイクも「やっぱりまだ納得できない」とさらに歌い直し、歌録りに来たものの声が本調子にならず、結局レコーディングはせずにその日は終了、という日もありました。 最高の演奏に応えるべく、最高のヴォーカル・パフォーマンスをしなければいけない、かなりのプレッシャーだったと思います。 |
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曾我さんにとっての集大成という意味合いはもちろん、レコーディング・スタッフとして曾我さんを支える僕にとってもこのアルバムは集大成なのです。 Pro Tools という DAW の出現によってレコーディング革命が起き、経験と試行錯誤を重ねてようやく、Pro Tools でのミックスやマスタリングでほぼ自分の理想と言えるサウンド作りができるようになってきた、そんなタイミングでのこのアルバムなのです。 ミュージシャンが魂込めて演奏した想いを、余計な解釈など挟まず、そのままCDという枠に収めていったつもりです。 |
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素晴らしいメンバーをもう一度集めて、レコ発ライヴが先日行われました。 ライヴ会場へ行くエレベータの中で「葛巻さんですよね、素晴らしいCDをありがとうございました」と曾我さんのファンの方に声をかえられ、予想外の出来事に気の利いたコメントも返せず、たいへん失礼しました(^_^;) |
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