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このページでは音楽制作エンジニア、葛巻善郎日々の出来事をつづります。

Mellowmuse Vintage Bundle

9月に Aoyama Folk Ways のレコーディングを始めるに際し、いくつか新しいプラグインを購入し使っていますが、今日は Mellowmuse という新進メーカーの Vintage Bundle を紹介します。
Mellowmuse は2年前にマンチェスターで英国人ミュージシャン&プログラマーである Gary Newby さんによって設立されたワンマン・カンパニーで、Massey Plugins と似たようなスタンスのメーカーだと思います。
Mellowmuse というブランド名はなかなか素敵ですね。 今回紹介するヴィンテージ・バンドル以外のプラグインも先行してリリースしており、その特徴は Massey Plugins 同様直販のみなのでひじょうにリーズナブルな価格でしょう、インターフェースも使いやすそうです。

この Vintage Bundle、サチュレータ SATV と、コンプ CP2V、そして EQ2V の3つからなります。 まずはなんといっても SATV (扉写真、クリックすると拡大します)、この手のプラグインは既に多数所有していて、つい最近も Sound-Toys の新しいサチュレータ Decapitator を購入したばかりですが、新しいプラグインが出るとついつい試したくなってしまいます。 4つのプリセット・モデル (トランジスタ、トランスフォーマ、チューブ、テープ) から1つを選び、あとは Drive、Mix、Output の3つのパラメータのみで音を作っていきます。 この4つのモデリングがなかなか素晴らしいのですが、 Decapitator に比べるとその後追い込んでいくパラメータが少ないので、これ1つで太い音を作るのはちょっと難しく、いくつかのプラグインと組み合わせて使った方が今のところ効果的です。 いろいろ試したところ、これまた最近愛用している Nomad Factory ALL-TECH 9063B EQ を後ろに挟み、ほんのちょっと Hi Cut すると良い感じになりました。

ON FIRE

10月

うたのゆくさき

煩悩 108

Aoyama Folk Ways

9月

A STAR LIGHT IN MY LIFE

Decapitator

8月

Japan Fire 4

天国のような霧

Speak Louder !!

大掃除

7月

音響のアルチザン

レコーディングの教科書

続いてヴィンテージ・コンプのシミュレート CP2V (写真下)、コンプのかかり具合とアウトプット、ツマミは2つしかありません。 面白いのはアウトプットで表記に Output Drive とあるように、ある程度から先へ上げていくとどんどんドライブした歪みが足されていきます。 ソロにして聴くと「こりゃあやり過ぎでは」というくらいまでつぶして歪ませても、オケに混ぜると意外にかっこよかったりします。 このコンプも SATV 同様、後ろにもう一つ何かを挟んだ方がしっくりきます。 アタックとリリースはそれぞれ2段階のみですが、この組み合わせでだいぶ聴こえ方も変わり、真ん中があったら良かったのに、と思ってしまいました。

最後に EQ2V (写真下)、シンプルな3バンド + ハイパス・フィルター、そしてヴォリュームという構成です。 ヴィンテージ・テイストなので、きれいにかかる、というよりはどっちにツマミを回してもザラッと感が加わっていく感じです。 なのでギターなど元々汚い音に使うよりも、シンセ・ストリングスをオケの中で際立たせる、みたいな使い方に向いているかな、というのが今のところの印象です。 EQ2V をかけたトラックとかけないトラックとでダブルにする、というような使い方も面白そうです。

最近のプラグインは見た目も含めて実に素晴らしいものが多いので、それらに比べると Mellowmuse の3つはどれも決め手に欠ける感じは否めないのですが、さらにいくつかのプラグインを組み合わせていけばそれぞれの良さを活かすことができるので、いろいろと使い道はありそうです。
ちょっと枯れたようなルックスはかなり好印象、ツマミを動かした感じと音の変化の具合も違和感がないので、使いやすいプラグインです。