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このページでは音楽制作エンジニア、葛巻善郎日々の出来事をつづります。

Japan Fire 4

今月最初の日記でも書いていますが、ゴスペル・イベント「Japan Fire 4」が福岡で開催され、最終日のライヴ・レコーディング・コンサートの収録に参加してきました。

Japan Fire

http://japanfire.org/

Japan Fire は米国アラバマ州バーミンガム市に本拠を持つゴスペル団体 TPW (Thanksgiving Praise and Worship) が主宰するイベントで、日本のゴスペル・アーチストも多数参加・サポートしています。 僕は趣味でクワイアに参加するくらいゴスペルが好きなのですが、そうこうしているうちに何人かのアーチストさんと仲良くなってお仕事をしたりしています。 今回も親しいシンガーの一人である藤波慎也さんの紹介で、ライヴ収録を担当することになりました (ミックス以降は TPW が担当)。
山中湖や八ヶ岳で年に何度かレコーディングがありますが、単発の地方出張はあまりなく、去年春の大阪以来です。 車で行ける距離ではないので機材は宅急便で送り、飛行機での移動、2泊3日のツアーです。 久しぶりの飛行機ということで、意味なく写真を撮っています(^_^;)

天国のような霧

Speak Louder !!

大掃除

7月

音響のアルチザン

レコーディングの教科書

ALL-TECH 9063B EQ

バラとひまわり

6月

ヒプノシスと共に紡ぎ出す、英国プログレの多様性

朝鮮舞踊の緋緞道

悔悛と歓喜

ショパンに恋して

5月

You've Got a Friend

レコーディ ング本

初日は福岡への移動と、西新にある西南学院大学でのリハーサル見学と打ち合わせ、ちょうど梅雨が明けた福岡はとても暑かったです!

そして迎えた本番の日、午前中に会場である福岡国際会議場メイン・ホールに入り、ある程度 PA のセッティングができてから舞台上手脇にレコーディング機材を設置しました。 ライヴ収録の場合基本的にはマイクは PA サイドが選びますが、今回約100人のクワイアのマイク8本のうち4本をコンデンサー・マイクとし、MEARI 319-A8 を持って行きました。
下の写真がレコーディング機材、いつものように api 3124+ が4台 (16ch)、ATI 8MIX2 (8ch)、そしてレコーダは Mackie SDR 24/96 です。 しかし今回 TPW のシンガーズでマイク6本、ソロで2本、100人のクワイアで8本と、ヴォーカルだけで 16ch も使うので当然 SDR の 24ch では収まらず、ZOOM の R-16 というハードディスク・レコーダを借り、その8ch と合わせて計 32ch での収録です。

ZOOM R-16 はなんと、SD カードにレコーディングしていくのです。 下調べで同期には対応していないことがわかっていたので、それぞれ単独で回し、後で Pro Tools に移してから波形編集でくっつけることにしました。 24bit、44.1kHz で録っています。

持って行ったのはマイク・プリとレコーダだけではありません。 愛用のレクスト製電源ケーブルとマイク・ケーブル、レゾナンス・ピットも福岡に送り、やはりこれらが良い結果を生んでくれました。

上の写真、そして下の写真はリハーサルの模様、写真をクリックすると拡大します。 バンドはギターレスでドラム、ベース、そしてキーボードが最大3台、まとまって舞台上手に位置しています。 下の写真がステージ全景、ソロ・シンガーとダイレクターが舞台センター、TPW のシンガーズがその後ろに横に並び、一番後ろに100人のクワイア、という配置です。

ゴスペルのライヴは人数が多いこともあり、いつもかなりバタバタな進行になってしまいます。 今回もそんな感じでしたが、PA チーム (フロムワンさん) のスタッフがいろいろとフォローしてくれたおかげで、なんとか無事収録することができました。 PA の出音も素晴らしく、三点吊りマイクに入ったアンビエンスの音もかなり良かったです。 そして今回最大の収穫はクワイアのマイク・プランでした。 今まではダイナミックだけ、とかコンデンサーだけ、というマイキングでしたが今回初めてダイナミック (SM58) とコンデンサー (319-A8) を半々で使用、これが予想以上に効果的だったのです。 それぞれの良さを出しつつ、弱い部分をもフォローでき、出音・録り音共に素晴らしいサウンドで録れました。


もちろん演奏も素晴らしかったです。 本場アラバマのブラック・ゴスペルと日本のシンガー、ミュージシャンとの共演、企画や準備などみなさんたいへんだったと思いますが、素敵な夜になりました。