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このページでは音楽制作エンジニア、葛巻善郎日々の出来事をつづります。

天国のような霧

僕がマスタリングしたアルバム、続いて紹介するのは 石川優美 & Pono Lani 2枚目のアルバム「Ka Noe Lani」です。

石川優美 & Pono Lani

http://www.geocities.jp/yumi_alohasisters/

石川優美 & Pono Lani は夫婦によるアコースティック・デュオ、優美さんとは 2004年に Aloha Sisters のレコーディングで一緒になって以来親しくしています。 Aloha Sisters は女性コーラス・グループで、バックを
山内 "Alani" 雄喜さんや田村玄一さん、キヨシ小林さんといったスペシャリストが務めた素晴らしいグループでした。 曲ごとに柔軟に編成を変えるといった手法はまさに僕の好みにドンピシャリ、2枚のアルバムのレコーディングの大半に関わり、僕の録音やミックスの手法を確立させてくれた大切なグループです。 ちょうど僕のレコーディング本と制作の時期が重なったこともあり、僕の本では Aloha Sisters の1st. に収録されている曲で僕が大好きなマオリ民謡「Pokarekare Ana」をリクエストして、お2人に演奏してもらったのでした。

おっと、アルバムの話をしましょう。
アレンジとプロデュースもデュオ名義、多少のオーヴァー・ダブはあるものの、全ての楽器と歌を2人で演奏しています。 そしてレコーディングとミックスは旦那さんである Pono Lani (進一郎)さんが担当、優美さんも歌録りの一部は自分で行ったそうです。

曲は全部で14曲、スラック・キー・ギターとノーズ・フルートが印象的なオリジナルのインスト曲から始まり、サンディ・マノアやギャビー・パヒヌイのカヴァー、ハワイのトラディショナル・ソング、フラ・ソング、マオリ民謡、そしてハワイ語による2人のオリジナル、さらにはなんと日本語とハワイ語での「浜辺の歌」のカヴァーなど、盛りだくさんです。 ヴォーカルもいろんな歌い方・重ね方をしていて、全体のサウンドを楽しむだけでなく、歌い方その他技術的な部分に注目する、なんていう聴き方もできますね。

Speak Louder !!

大掃除

7月

音響のアルチザン

レコーディングの教科書

ALL-TECH 9063B EQ

バラとひまわり

6月

ヒプノシスと共に紡ぎ出す、英国プログレの多様性

朝鮮舞踊の緋緞道

悔悛と歓喜

ショパンに恋して

5月

You've Got a Friend

レコーディ ング本

With You

聴き応え満点な中、僕が好きなのはオリジナル曲「E o mai 'oe」とハワイアン・スタンダードとも言える「I am Hawaii」、よくこの2曲を休憩時間などに聴いています。 アルバムからはハワイ音楽への限りない愛情を感じ、トロピカルなサウンドや波音の SE などが入っているので海辺で聴くのが一番良いのでしょうが、どっこい富士山や八ヶ岳、軽井沢など日本ならではのリゾート地で聴いても違和感なくマッチすると思います。

レコーディングやミックスをエンジニアではなくアーチスト自らが行う場合、そのメリットもデメリットもあるわけですが、最大のメリットは自分の求める音をとことん作り込んでいける、という点です。 そして、1st. に続いてのセルフ・レコーディングはかなりうまくいった、と言えると思います。
マスタリングでは、進一郎さんがミックスで追い込んでいったこだわりのサウンドの良さを残した上で、エンジニアならではのフォローをし、最終的な形へと仕上げていきました。 美しく、時に力強く、そして優しい、2010年ならではのサウンドです。
Aloha Sisters からのお付き合い、菅野一成さんによるアート・ワークも素敵です。
アルバム・タイトルを訳したのが日記のタイトル、ぜひ多くの人に聴いてもらいたいと思います。

写真はマスタリングを終え、満足げなお2人♪