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このページでは音楽制作エンジニア、葛巻善郎日々の出来事をつづります。

バラとひまわり

とても素敵なアルバムを紹介します。Arthur & Sabrina の「バラとひまわり」、ブラジリアン男女のアコースティック・デュオでランブリング・レコーズからのリリース、僕は全てのレコーディングとミックス・マスタリングをしています。

アルトゥール&サブリナ (MySpace)

http://www.myspace.com/arthuresabrina

録音は4月上旬の3日間、僕の本拠地であるここ Stduio CMpunch で行いました。 Stduio CMpunch では通常歌録りのみを行うことが多いのですが、ヴォーカル・ブースは約4畳とまあまあ広いので、過去にも Aloha Sisters で女性ヴォーカル5人、キヨシ小林さんのアルバムではギター2人とウッド・ベース、青木カレンさんのアルバムでは歌とギターのデュオ、などアンサンブルも録れるのです。 今回はカレンさんの時と同じ編成ということで、普段縦に使うブースを横向きで使用、マイクを5本用意しました。 歌にはいつものように RODE の真空管マイク K2、アルトゥールのギターには audio-technica の新しいリボン・マイク AT 4081、そしてアンビエンス・マイクとして audio-technica AT 4040 を2本立てています。 広くないスタジオでも、一番遠い位置にアンビエンス・マイクを立てることによって、ミックス時に多少空気感を加えたり、部屋の大きさを曲によって変えるなどの演出ができます。 ギターは AT 4081 だけでなく、MEARI 319 A-9 に代えたりもしています。 今回のアルバムは基本的にギター1本に歌という編成なので (しかも全曲同じギター) 、ずっと同じ質感にしないで、さりげなくギターのサウンドに変化を付けるのです。 マイクを代えることによってミュージシャンのモチベーションが上がったりもします。 下の写真3枚がギター録りの様子、最初はギターと歌を同時に録っていたのですがすぐに別録りに変更、クリックは使っていません。

6月

ヒプノシスと共に紡ぎ出す、英国プログレの多様性

朝鮮舞踊の緋緞道

悔悛と歓喜

ショパンに恋して

5月

You've Got a Friend

レコーディ ング本

With You

Now Here I Am

Conforto

4月

新しいプラグイン2つ

スペース・ロック・ファンタジー

キャラメル・マキアート

PSP sQuad

1曲のみゲストで2人の親友である カカーがパーカッションで参加、左下の写真にあるようにクイーカとタンボリンを重ねています。 撮影用のなんちゃってレコーディング風景なのですが、陽気なアルトゥールは楽しそうに演奏、なぜかこの時が一番盛り上がっていました (^_^;)
そして右下の写真がサブリナの歌録り、実際には K2 は Reflection Filter で囲われており、後ろからの反射をカットしてより定位感のあるヴォーカル・サウンドにして録っています。

アルバムには全13曲を収録、うち3曲がカエターノ・ヴェローゾなどのカヴァーで残り10曲がアルトゥールのオリジナル、なんと若干20歳の素晴らしい才能です。 歌はそれぞれのソロが6曲ずつと、2人で歌う「Edo」、1曲1曲が短いこともあり何度聴いても飽きません。
ブラジル音楽の特徴である詩の味わい深さは、アルトゥールにもしっかり受け継がれており、どの曲も実に素晴らしいです。 対訳が載っているので、ぜひ歌詞にも注目してほしいと思います。

レコーディングにはランブリング・レコーズのS社長と、アルバムのプロデューサーである cafe vivement dimanche のオーナー 堀内隆志さんが毎回来てくれました。 堀内さんは自家焙煎の珈琲豆を持ってきてくれ、これまた味わい深いレコーディングでした。
扉写真はアルバムのジャケット、福田利之さん描き下ろしの素敵なイラストです。 また、CDはエンハンスド仕様で、これまた味わい深い「Edo」の PV が収録されています。

レコーディングはいつだって楽しいのですが、創造的な行為故に行き詰まったり、疲れてしまったりすることもあります。 しかし、素晴らしいパフォーマンスを誰よりも先に目の当たりにしたり、ミックスやマスタリングへと進んでいき完成形が見えたりすると、何とも言えない達成感があるのです。 そしてそれはそこにいる全ての人の才能や、何よりも気持ちを足した結果であり、今回もまた素晴らしいチームの一員としてこの作品作りに関わることができ、幸せでした。


ぜひ聴いてください!