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このページでは音楽制作エンジニア、葛巻善郎日々の出来事をつづります。 |
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ALL-TECH 9063B EQ |
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久しぶりに新しいプラグインを購入しました。 米国のメーカー Nomad Factory から春に2つのプラグインが発売になり、両方購入していますが、今回はその中の ALL-TECH 9063B EQ を紹介します。 |
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ALL-TECH 9063B EQ は同じく米国のメーカーである Altec Lansing 社の伝説の名機 ALTEC 9063B プログラム・イコライザーをプラグイン化したものです。 ALL-TECH という名称になっているのは、おそらくライセンスの関係でそのままのブランド名が使えないのでしょう。 |
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この 9063B EQ は、2バンドの EQ、トーン・コントローラのように使えますが、周波数帯域は可変です。 低域が 40Hz と 100Hz 、高域は 3、5、10、15 kHz の中から選択し、ブーストが 12db、アッテネートはなぜか 16db までとなっています。 こういった選択範囲に限りがあるプラグイン、実は逆に使いやすいのです。 モデリングでない EQ だと、周波数帯域や Q (可変幅) がほぼ無限に変えられたり、EQ 自体も4ポイントから12ポイント、はたまたこれも無限に増やせたりします。 しかし、僕の本やこの日記でもいつも書いているように、EQ は難しく、これで追い込んで素晴らしいサウンドを作ることももちろんできますが、なるべく使わない方が良い、と僕は思っています。 使う場合も、この機種のように選択範囲が決まっているものを使った方が音作りしやすいです。 そして、実は音作りによく使う周波数帯域はほとんど同じであり、ヴォーカルでもギターでもベースでも、この帯域を少しいじれば良いのだ、ということが経験を多く積めばわかってくると思います。 |
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この機種もそういう意味でとても使いやすく、質感も確かにヴィンテージっぽくなります。 トーン・コントロールの他にアウトプット・レベルも付いているので、ヴォリューム・コントローラとして使うこともでき、意外に効果的です。 ALTEC らしいサウンドになるので、過激に音を変えるプラグインの前にこれを挟んだり、いろいろと活躍するでしょう。 僕は LOW CUT フィルターとして使ったりもしています。 ただちょっと困るのは、僕が使っている環境だけなのかどうかわかりませんが、ステレオ・ヴァージョンしかないのです。 モノしかない、というならまだわかりますがステレオにしかならない、アンビエンス・トラックやキーボード系など元々ステレオのファイルは良いのですが、ベースなどモノラルのファイルにインサートすると、このプラグインから先はステレオになってしまいます。 元がモノであればステレオ・ファイルになっても出音は同じなのですが、なんかちょっと気分的には落ち着かない感じです。 |
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Nomad Factory のプラグインはほとんど全て所有しています。 リーズナブルな値段なのと、インディーズ・メーカーらしいコンセプトが興味を引きついつい購入してしまいますが、使い道としてはいろいろなプラグインを使った方が質感の変化が得られるので、という意味でのちょっとした色付けで使うことが多いです。 しかし、Essential Studio Suite の中の E-RetroVox はヴォーカルなどをローファイにするのに実に素晴らしく、ほとんどのミックスで愛用しています。 そして、最近の BBE シリーズ辺りからはルックスもなかなか好印象です。 |
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