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このページでは音楽制作エンジニア、葛巻善郎日々の出来事をつづります。 |
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ヒプノシスと共に紡ぎ出す、英国プログレの多様性 |
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僕がマスタリングしているエアー・メイル・レコーディングスさん5月の新譜は好評の British Legend Collection Vol.66、「ヒプノシスと共に紡ぎ出す、英国プログレの多様性」と題した String Driven Thing の2タイトルです。 |
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エアー・メイル・レコーディングス |
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http://www.airmailrecordings.com/ |
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ヒプノシスはご存じの方も多いと思いますが、ロジャー・ディーンやキーフと共に70年代以降のロック・アルバムのジャケット・デザインをアート・ワークにまで高めたデザイナー集団です。 現在は解散し、メンバーのストーム・ソーガソンがその流れを引き継いでいて、ピンク・フロイド、ジェネシスなどのプログレッシブ・ロックから、10cc、ELO、ウィングスなどのブリティッシュ・ロック、意外なところではクランベリーズや日本のユーミンなど、数多くの名盤のアート・ワークを担当しています。 僕もヒプノシスやストームのデザインが大好きで、ポスターやカレンダーなど多数所有しています。 |
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まずは扉写真は 72年リリースの4th.「Please Mind Your Head」、リーダーが脱退し、途中加入の一人を除く全メンバーを入れ替えるという荒技によってまったく異なる音楽性のバンドへと変身させ、ヴァイオリンをフューチャーしたプログレ色の強いサウンドになっています。 風刺的なアート・ワークがかなり印象に残りますね。 これが 30cm四方の LP レコードの表ジャケットになっていたのだから、なかなかすごい時代です。 |
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そして写真下、74年リリースの5枚目にしてグループ最後のアルバムとなった「Keep Yer' and On It」、歯磨き粉のチューブを真上から見たようななんとも奇妙なアート・ワークです。 もはやまったく別のバンドとなったものの、哀愁を帯びたポップな音楽性をもミックスし、プログレの枠を超えた英国職人気質溢れた名盤となっています。 |
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このバンドのマスタリングは何年か前にも手がけているので、今回もその延長線上の音作りをしています。 72年から74年にかけてというと、イエスが「危機」「海洋地形学の物語」「リレイヤー」という大名盤をリリースしていた、いわゆるプログレ黄金時代です。 しかし、この頃のサウンドの特徴としては、もちろんフル・アナログ、そして僕が聴いていた LP レコードの記憶と併せて想像するに、そんなにワイド・レンジなハイファイではなかったはずです。 ということで、マスタリングではアナログ・フィーリングを加えるプラグインとして DAD Valve ではなく Tape Head をフューチャー、これによって良い感じの狭さにまとまっていくのです。 Abbey Road の素晴らしいプラグイン RS135 によって 8kHz をちょこっと強調するのですが、それより上の帯域はなだらかに下がっていく感じ、ちょうどリボン・マイクのようなサウンドに仕上げていきました。 |
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