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このページでは音楽制作エンジニア、葛巻善郎日々の出来事をつづります。

You've Got a Friend

この日ばかりは首都圏のミュージシャンはみんな仕事や練習を休んで武道館・パシフィコ横浜に駆け付けたのではないでしょうか。 キャロル・キング&ジェイムス・テイラー待望のデュオ公演、14日の武道館初日と17日のパシフィコ横浜での追加公演を観てきました。

最近 Studio CMpunch を訪れた人は知っていると思いますが、機材を収納しているラックの天板に下の写真のように愛聴しているライヴ盤を飾っているほど僕は JT が大好き、まさか日本でライヴが観られるとは思ってもいなかったので、会場に入った瞬間からもう夢のようでした。

レコーディ ング本

With You

Now Here I Am

Conforto

4月

新しいプラグイン2つ

スペース・ロック・ファンタジー

キャラメル・マキアート

PSP sQuad

3月

The EDDIE KRAMER Modeling

アメリカ人の英国詣

TOKYO SESSIONS 1989

BBE Sound Sonic Sweet

2月

スティームハマー

チケットは優先予約で購入したのですが、武道館では JT 寄り、横浜ではキャロル寄り、いずれも幸運にもかなり前の席でした。

コンサートについて細かくは書きません。 JT とキャロルと僕が同じ空間にいた、もうそれだけでも充分なのに、あの素晴らしい名曲の数々を歌ってくれた、夢見心地でほとんどポカーンと口を開けていたような気がします。 バックは彼らが初期に活動を共にしたセクション (故にリユニオン・ツアーと題している)、そして JT のレギュラー・バンドからもアーノルド・マッカラーとケイト・マコーヴィッツが参加、いろいろな音楽があって良いのだと思いますが、僕にとって理想の形の一つである最高のサウンドでした。

「Sweet Baby James」や「Tapestry」から40年、JT もキャロルもちょっと年取ったけど、曲の魅力や歌声、そして「私たちの曲はだいたいみんなこんな感じなの」といった MC も何度も聴いたアルバムのままでした。 満員のお客さん一人一人にいろいろな思い入れや思い出があるのでしょう、そして人によって「この瞬間が一番良かった」というポイントも違うのだと思います。 僕はなんと2日間ともまったく同じ曲の同じ箇所で感極まってしまいました。 「It's Too Late」の2番でキャロルが客席の方を向いて歌い出した時、20代の頃ヴォーカルとピアノという編成でライヴをやっていてこの曲を何度も演奏したなぁ、そんなあの当時の光景を一瞬にして思い出し胸一杯になり、そして「You've Got a Friend」では JT とキャロルがこの曲を一緒に歌う、「打ちのめされて 愛がほしい時、何もかも諦めず 私を思い出して、すぐ飛んで行って 暗い夜を照らす光になろう、どこにいても 名前を呼ぶだけで駆け付けるよ 君に会いに」 汗ではない何かがいっぱい流れたような気がします。

神さまが僕に JT とキャロルの音楽を与えてくれ、いつだって僕は彼らの音楽に励まされ、憧れ、そしていつの間にか彼らと同じ世界で仕事をするようになったけど、それはもちろん彼らのおかげなのです。 最近ずっといろいろなレコーディングが続き、さらに3冊目の本の制作なども重なりずっと走り続けているのですが、この2日間だけは調整をしなくても他の予定が入ることなく、JT とキャロルと同じ空間を共有することができました。 きっとこれは神さまがくれたご褒美なんだな、そして彼らはやっぱり僕を励ましてくれました。

友達がいるって素晴らしいことじゃないの、人は冷たく 傷付けて 見捨てるかもしれないけれど、君の魂を奪おうとするかもしれないけど、君はそんなことをさせないだろう、 呼んでくれさえすれば飛んで行く、そう 友達だから

そう、僕にもたくさんの友達がいて、今作っているレコーディング本では大勢の友達が協力してくれました。 一つ前の日記にもあるように、この歌詞の通りの出来事がこの何ヶ月かの間に起きているのです。 助けてくれた友達のみんな、そして JT、キャロル、本当にありがとう。