★ welcome to this page daisy <kuzumaki.net ★ |
||||||||||||||||||
このページでは音楽制作エンジニア、葛巻善郎日々の出来事をつづります。 |
||||||||||||||||||
新しいプラグイン2つ |
||||||||||||||||||
シンガー竹内晴奈さんのアルバム制作、歌録りを終え、現在ミックスを進めています。 レコーディング・レポートで書いたように好きなジャンルの音楽ではあるものの、お仕事であまり接したことがない種類なので、今まで使ったことのなりプラグインを使ってみたり、いろいろと試行錯誤中です。 レコーディング方法や機材などに僕なりのこだわりはもちろんありますが、作品そのものは自分のものではなくアーチストさんのものなので、希望に添うように時には新しいノウハウを得たり、自分の枠を広げることも必要です。 |
||||||||||||||||||
今回のミックスでは僕にとって大革命ともいえるいくつかの手法を試し、なんとか自分のものにできたと思います。 それらの紹介はアルバムができた時に改めてするとして、今日は最近使っている新しいプラグインを2つ紹介します。 しかも2つともフリーウェア、つまり無償で手に入れることができます。 |
||||||||||||||||||
まずは Flux の BitterSweet、これは Syrah という新しいダイナミクス・プロセッサーを購入した時に同時にゲットしました。Syrah はちょっと難しそうなので今回はまだ使わず、この BitterSweet をちょこちょこっと試しています (画像をクリックすると拡大します)。 操作はとても簡単、中央のツマミを Bitter よりに回すと音が熱い感じになり、Sweet 方向に回すと甘い感じに変化するのです。 この効き具合はフリーウェアだけあってそんなにキツくはかからないのですが、これの面白いのは左下の Mode セレクトで、Main 位置では素材全体にかかり、Center では MS に分離させたセンターのみに、Stereo ではサイドのみにかかるのです。 写真右下にあるようにアウトプットを ±12 の範囲で調整できるので、単純に MS 分離させ音量を MS どちらかだけ上下させる、という用途でも使えます。 使い道としては、例えばストリングスのセンター音像を甘くしてステレオ感を出したり、センターに音のないタム・チャンネルや、どちらかというとセンターの音を必要としないドラムのオーヴァーヘッド・チャンネルにインサートしてセンターもしくはサイドの音像を操作する、などいろいろと使えそうです。 |
||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||
次は僕が MS 処理を常套手段として使うようになったきっかけともいえるメーカー Brainworx のフリーウェア、bx_cleansweep です (写真下)。 このメーカーのプラグインは全て所有していますが、よく使うのは MS デコーダ & エンコーダである bx_control とダイナミック EQ という珍しい種類の EQ bx_dynEQ 、これ以外の他のプラグインは基本的にマスタリング・クオリティの MS 仕様 EQ で、操作するツマミが多く若干難しいです。 |
||||||||||||||||||
この bx_cleansweep、拡大した画像を見れば一目瞭然、ハイパス・フィルターとローパス・フィルターのみの機能です。 ジョイスティックもしくはその上にあるツマミ、もしくは右下部に直接数字を入力する、この3つのやり方のうちどれらかで6db のフィルターを操作します。 |
||||||||||||||||||
今日紹介した2つのプラグイン、どちらも積極的に大きく音を変えるものではありませんが、こういった地味なプラグインを各トラックに配置し、少しずつ音を整えていくことが全体のブラッシュ・アップに確実に繋がるのです。 |
||||||||||||||||||