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このページでは音楽制作エンジニア、葛巻善郎日々の出来事をつづります。

キャラメル・マキアート

ようやくレコーディング・レポートを一つ、2月から続いているシンガー竹内晴奈さんのアルバム制作、現在歌録りまで進んでいます。

竹内 晴奈

http://www.harunatakeuchi.com/

僕の音楽活動の初期の頃からの友人で、素晴らしいドラマーである村上広樹君からの紹介でこのプロジェクトに参加することになりました。 晴奈さんは17歳で渡米、ニューヨークの音楽大学で学び、ブラック・ミュージックを取り入れたオリジナル曲を作っています。 事前の打ち合わせで参考音源として渡されたのは D'Angelo、Erykah Badu、Jill Scott、Leela James、Laura Izibor など、いわゆるニュー・クラシック・ソウルもしくはネオ・ソウルと呼ばれるアーチストたちです。 そして「生演奏なのだけど打ち込みのように聴こえるサウンドにしたい」というリクエストが … 。 どちらかというとアコースティック系のサウンドを得意とする僕にとって、この注文はかなりチャレンジングです。 しかし、このようなお仕事ほどやりがいがあるというもの、昨年末にやった 258tc のミックスでも「汚い音をいっぱい入れてください」と言われていろいろ新しいノウハウを得ましたが、自分にあまりない要素を研究・吸収する良い機会です。

PSP sQuad

3月

The EDDIE KRAMER Modeling

アメリカ人の英国詣

TOKYO SESSIONS 1989

BBE Sound Sonic Sweet

2月

スティームハマー

258tc

NHK スペシャル・20年の歴史

パトリック・モラーツ

1月

謹賀新年

プレイバック 2009 - 10月〜12月

プレイバック 2009 - 8月〜9月

プレイバック 2009 - 6月〜7月

オケ録りはスタジオではなく高尾にある公民館のようなところで2日間行いました。 バンドはギター・レスで、ドラムに村上広樹君、ベースが船曳耕市君、キーボードが谷口喜男君です。
ドラムのマイキングはだいたい今までと同じですが、昨年末に購入したリボン・マイク Crowley & Tripp Recordist Ensemble Stereo Kit をキックに使ってみたところ (Audix D-6 と併用) 良い感じだったので、2日目からはスネア上下とタムにも使いました。 このマイクは本来2本で MS ステレオ・マイクとして使うものなのですが、もちろん単体で使っても良いのです。 ハイハットには MEARI 319-A8 を使い、下の写真にあるように Reflexion Filter を立てています。 これは本来歌録りの時に後ろからの反射音が入るのを防ぐのに使うものですが、僕は最近これをハイハットに使っています。 アンビエンス・マイクを使っても定位感をきちんと感じられるようになるのです。 OH には RODE のステレオ・マイク NT-4、アンビエンス・マイクには audio-technica AT4040 か MEARI の 319-A7 のどちらかを5m くらいの位置に立てました。

ベースはライン録り、最近のお気に入り SUMMIT AUDIO TD-100 を使いました。 この機種はプリ・アンプ・アウトと DI アウトの両方があるので両方の音を録音、プリ・アンプ・アウトをさらに api 3124+ に繋いでみたりもしました。 ベースからのライン・ケーブル、そして全てのマイク・ケーブルはレクスト製、そして下の写真にはなぜか写っていませんが、レゾナンス・ピットも使っています。

オケ録りに入る前にしっかりバンド・リハをしていたので、オケ録りは順調に進み、少し時間が余ったのでループ用の素材などを録ったりもしました。 下の写真がオケ録りを終えての一枚です。

キーボード類は谷口君とデータのやりとりで進め、現在は歌録りがほぼ終わったところです。 扉写真が歌録りの様子、RODE の真空管マイク K2 と、写真には写っていませんがもちろん Reflexion Filter を使っています。 バックグラウンド・ヴォーカルがかなりたくさんあり、キーボードも入れると全部でだいたい60トラック、多い曲は72トラックくらいになっています。
歌録りをしながらミックスを進めるプリ・ミックスが今回はスケジュールの都合でほとんどできず、ミックスは歌録りを終えてから一気に仕上げることになります。 「打ち込みのような」サウンドにするためには余韻のコントロールが重要、最近使っている SPL Transient Designer が活躍しそうです。
タイトルは今回の収録曲の中の1曲です。