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このページでは音楽制作エンジニア、葛巻善郎日々の出来事をつづります。

PSP sQuad

先月から続いているいくつかのレコーディングのレポートをしたいところなのですが、今回は最近お気に入りの EQ を紹介します。

DAW で仕事をするようになってからずっと愛用している Vintage Warmer を作っているポーランドのメーカー PSP Audio、このメーカーのプラグインは素晴らしく、昨年末に登場したヴィンテージ・タイプのコンプ oldTimer も最近はかなり使っていますし、EQ や Delay も豊富なラインナップがあります。 今回紹介する sQuad は6つの EQ のバンドルです。 PSP のプラグインは Native 環境にしか対応してないので、Pro Tools では RTAS で使うことになります。

6つの EQ は3バンドか4バンドのパラメトリック、フィルター付き、とほぼ同じスペックなのですが、元になっているモデルがいくつかあったりオリジナルだったり、という違いで6つのバンドルとなっています。 例えば ClassicQ は NEVE タイプ、ConsoleQ は AMEK をモデリングしているようです。 写真をクリックすると拡大表示されます。

3月

The EDDIE KRAMER Modeling

アメリカ人の英国詣

TOKYO SESSIONS 1989

BBE Sound Sonic Sweet

2月

スティームハマー

258tc

NHK スペシャル・20年の歴史

パトリック・モラーツ

1月

謹賀新年

プレイバック 2009 - 10月〜12月

プレイバック 2009 - 8月〜9月

プレイバック 2009 - 6月〜7月

プレイバック 2009 - 4月〜5月

ミックス本でもあまり EQ については触れてませんし、僕はミックスでもマスタリングでもほとんど EQ を使いません。 できるだけ EQ を使わずに作業する、というポリシーもあるにはあるのですが、どうもプラグインの EQ はインターフェースが好きになれず、ツマミを動かした時の感じと音の変化が自分の中で一致しないので使いづらいのです。 レコーディングを始めた頃、まだ DAW はほとんど使われていなくて、務めていたスタジオには Soundclaft の S6000 というコンソールがありましたが、この EQ は素晴らしく、ブーストもカットもツマミを動かした時の音の変化がすぐに音に現れ (当たり前ですが)、この時のイメージで使えるプラグインになかなか出会えません。 この PSP のバンドルは僕は経験した中では一番しっくりくるような気がします。
そして定番の機材にあまり魅力を感じない僕が愛用しているのは、ここでも3番目にラインナップされている McQ (扉写真)、これは MCI コンソールをモデリングしているようです。
McQ のかかりも素直で音作りしやすいです。 ハイ・パス&ロー・パス・フィルターも、設定値と音の感じが見事に一致します。 この McQ で面白いのは MID の2バンドがゲインつまみが+方向にしかなく、ブーストかアッテネート (カット)かを隣のスイッチで設定するのです。 これの便利な使い道としては、クライアントさんに「このギターもっと中域がほしいな」などと言われて自分としてはこれ以上ブーストしたくない時に、「じゃあちょっと上げますね」などと言って実はカットしてしまう、といった裏技が考えられます (笑)。
他の EQ にも付いてますが、SAT スイッチによるサチュレーションの付加も良い感じで、全体的に音楽的な音になりミックスの中でキャラクターを決めるのにすごく使いやすいです。

そしてもう一つ素晴らしいのが RetroQ (写真下)、これは Vintage Warmer に付いているフィルターに MID を足したものです。 レトロという名前の通り緩やかにかかるので、全てのバンドを思いっきりブーストしてもキツい音にはなりません。 キックやベースなど、中低域を作りたい素材にかなり使えます。

コンプに関しては、いろいろなプラグインを使った方がそれぞれのキャラクターの違いで奥行きを表現できるので、あえていろいろなメーカーのものを使っていますが、EQ に関しては自分の使いやすいものを吟味して使った方が良いような気がします。 PSP のプラグインはどれも値段も手頃だし CPU への負荷も低いのでお薦めですよ。