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このページでは音楽制作エンジニア、葛巻善郎日々の出来事をつづります。

パトリック・モラーツ

エアー・メイル・レコーディングス昨年12月の新譜第3弾の紹介がまだでした。 好評のシリーズ British Legend Collection Vol.63、「プログレッシヴ・ロック界の渡り鳥」と題したパトリック・モラーツの関連作5タイトルです。

エアー・メイル・レコーディングス

洋楽の名盤を、紙ジャケットによるこだわりの再現でリイシュー

http://www.airmailrecordings.com/

ブリティッシュ・ロック界、特にハード・ロックやプログレにおいては、高い実力と繊細で気難しい人間性ゆえにいくつものバンドを渡り歩くミュージシャンが少なくないですが、今回の主人公パトリック・モラーツもその一人、Yes と The Moody Blues、プログレを代表するバンドのキーボーディストというのが彼のキャリアで最も有名なものでしょう。 特に Yes では「Relayer」のみの参加でしたが、この一枚をイエスの隠れ名盤に推す人も多いです。 僕もイエスの中では「Relayer」と「Drama」「90125」が大好きです。

1月

謹賀新年

プレイバック 2009 - 10月〜12月

プレイバック 2009 - 8月〜9月

プレイバック 2009 - 6月〜7月

プレイバック 2009 - 4月〜5月

プレイバック 2009 - 1月3月

グラハム・ボネット

悲劇のティーン・パンク

pass-port

THIS IS IT !

12月

Crazy Love

Riverdance

生きる力のハーモニー

シアトリカル、そして退廃的美学

さてそのパトリック・モラーツ最初のキャリアは Mainhorse「Mainhorse」(1970年、写真左下)、スリリングなジャズ・ロックが気持ち良いです。 そして次に元ナイスの2人と組んだ Refugee「Refugee」(74年、写真右下)、リリース後にモラーツのイエス加入により Refugee は短命に終わりますが、その後の彼の活躍を暗示させるような素晴らしい演奏が既にこれらの作品に詰まっています。

続いてイエス在籍時の76年にリリースされたソロ1作目「Story Of I」(扉写真)、セッション・プレイヤーと共にパーカッシブなジャズ・ロックを作り上げています。 そしてイエスを脱退した77年にはソロ2作目「Out in the Sun」(写真左下)を発表、前作とほぼ同じ布陣ながらブラジリアン・リズムとシンフォニック・ロックの融合を一段と昇華させます。
翌78年にはマイケル・ビンダーの後任としてムーディ・ブルースに加入、3作目のソロ「Patrick Moraz」(写真右下)をリリースします。 ブラジルのパーカッショニスト ジャルマ・コレイアをゲストに迎え、それ以外の楽器は全て自身で担当、もはや彼独自の音世界であるリズミックかつシンフォニックな音世界を展開しています。

キーボーディストというとクラシカルな音楽性を背後に感じたり、そこにジャズのエッセンスを加えたりする印象が多いと思いますが、モラーツさんのサウンドはシンフォニックではあるもののクラシカルという感じではなく、そこにブラジリアン・リズムを見事に融合していてまさにオンリー・ワン、いったいこれはライヴで再現できるのだろうか、というような手数・音色の嵐ですが不思議とうるさい感じはしません。
今回のリマスタリング作業はちょっと前にリリースされたヨーロッパ盤CDを元に再度マスタリングをしていて、MS マスタリングによってさらに奥行き感が増し、よりカラフルなサウンドになり、大音量で聴いてもヴォリュームを下げても、どんな音量でも気持ち良く聴けるように仕上げました。