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このページでは音楽制作エンジニア、葛巻善郎日々の出来事をつづります。

Riverdance

5月にレコーディングをし、8月のお盆前にはマスタリングまで終了していたものの発売まで告知できなかったクラシック系のCDが無事発売されました。
The "Marimba-Duo" の「Riverdance」、アメリカのヘリコン・レコードからの発売で日本では輸入盤が HMV やタワー・レコードなどで買えます。

The "Marimba-Duo" (野口道子オフィシャル・サイト)

マリンバ奏者・編曲家。 教則本執筆や TV ・ラジオ等のメディア出演も

http://michiko-noguchi.net/index.html

The "Marimba-Duo" というグループ名の通り佐々木達夫さん (イスラエル・フィルやサンディエゴ・シンフォニーなどの打楽器奏者として活動、現在は指揮・指導が中心) と、野口道子さん (東京マリンバ・トリオなどのグループやいろいろなオーケストラ・楽団に客演) の二人によるマリンバ2台のデュオです。
録音は5月中旬の3日間、横浜の本郷台にある栄区民文化センター リリス で行いました。 下の2枚の写真がレコーディングの全景、クリックすると大きくなります。 クラシック系のレコーディングをホールでやる場合は、ほぼ全ての機材を持ち込みます。 スタジオと違って同じ部屋にモニター環境を設置するのですが、ハードディスク・レコーダを使っているため奏者の位置からだいぶ離れたところに場所を作ります。

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シアトリカル、そして退廃的美学

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使用したマイクは全部で9本、会館の吊りマイクがメインで、さらにマリンバ1台につき3本のオン・マイク、そして全景の写真で見えますが客席前方に近めのアンビエンス・マイクを立てました (audio-technica AT4040)。 オン・マイクは下の写真にあるようにセンターに真空管マイク RODE K-2、そして左右に MEARI 391 A-8 と RODE NT-5 を立てています。
そして客席後方にレコーディング機材を設置、マイク・ケーブルは全てレクスト製、マルチを使わずダイレクトに繋いでます。 マイク・プリアンプはいつものように api 3124+、16ch 分あるので全てのマイクに使ってます。 電源ケーブルも全てレクスト製、右下の写真にあるようにレゾナンス・ピットを両脇に置いてます。

レコーディング前のリハーサルを見学に行ったり、打ち合わせを何度かして、レコーディング時にヘッドフォンは使わず、レコーダを回しっぱなしにしてひたすら演奏してもらい、後日編集をする、というような方法をとりました。 クラシック系の演奏者は普段ヘッドフォンを付けての演奏はしないので、この方法が一番効率的だと思います。 もちろんクリックは使わないので、後でうまく繋がるのか心配されてましたが、同じテンションで弾き続けているわけなので、ほとんどの場合問題なく繋がるものです。

収録曲は全10曲、メインはピアソラの「タンゴの歴史」から「ボーデル 1900」「カフェ 1930」の2曲です。 そしてバッハ「ラルゴ」、バルトーク「ルーマニア民俗舞曲」、さくら、モーツァルト「トルコ・マーチ」、ショパン「ノクターン op.20」と続き、最後にリバーダンスからの3曲「リバーダンス」「カウンティス・キャスリーン」「ファイアーダンス」、古典から近現代まで含んだ幅広い選曲になりました。 リバーダンスからの3曲にはゲストで打楽器奏者2人 (菅谷亮一さんと相川瞳さん) が参加しています。 この時はマリンバの後方に打楽器をセット、RODE のステレオ・マイク NT-4 を写真のようにオーヴァーヘッドで使っています。

それぞれの楽器にオン・マイクを立ててはいますが、ミックスでは7割方吊りマイクの音、いわゆるアンビエンス音を使います。 そこにうっすらオン・マイクの音をその時の定位で足してあげると、リアルでよく響いているけど遠すぎない、絶妙なサウンドになるのです。

基本的に佐々木さんが旋律、野口さんが伴奏を担当しています。 吊りマイクの音がメインということは、オン・マイクの音での音量調整はほとんど意味ない、ということです。 そしてもちろん修正やオーヴァー・ダビングなどもしていないので、ここで聴こえるサウンドはデュオの演奏そのものです。 編集とミックスにかなり時間をかけたので、納得のいく仕上がりになりました。 個人的にはショパンの「ノクターン op.20」が一番気に入ってます。 pp から ff まで幅広いダイナミクスでの入魂の演奏、良いリスニング環境で聴けば、まるでホールで演奏会を聴いているような雰囲気を味わえます。 さらに、ピアソラでのメランコリックな演奏、バルトークでの民族色、そしてリバーダンスでの迫力など聴き応え満点ですよ。


ぜひ聴いてください!