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このページでは音楽制作エンジニア、葛巻善郎日々の出来事をつづります。

BBE Sound Sonic Sweet

最近購入したプラグインの中から今回は Nomad Factory と BBE のコラボによる BBE Sound Sonic Sweet を紹介します。

BBE といえばオーディオ業界で「マキシマイザー」の代名詞となっているブランドです。 僕の最初のキャリアである Studio RAUM 338 で勤務していた時代(1995年頃) Sonic Maximizer 862 という機種が流行っていて、僕も使っていました。 簡単にいうと「音に輝きをもたらす」絶大な効果があり、他のメーカーにもライセンスされウォークマンやカー・ステレオなどにも使われていたと思います。 たった2つのツマミでの操作なのできわめて簡単なのですが、あまりに原音と変わってしまうのと、特に高音のシャリシャリ感があまり好きになれず、なるべくこれに頼らないようにしよう、と思ったものです。
マキシマイザーという効果はプラグインでは Waves L1 が有名で僕も愛用しています。 ミックス本にも書いてあるように基本的に全トラックの最後にマキシマイザーを挟むのですが、音圧を操作する、という目的以外にレベルを止めるリミッター的役割も果たしています。 L1 だけを使うと質感が似てきてしまうので、McDSP ML4000 や Massey Plug-ins L2007 など他のメーカーのものも併用します。
そんなわけでこの BBE Sound Sonic Sweet も出番はあるかも、と思い購入してしまいました。

2月

スティームハマー

258tc

NHK スペシャル・20年の歴史

パトリック・モラーツ

1月

謹賀新年

プレイバック 2009 - 10月〜12月

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プレイバック 2009 - 1月3月

グラハム・ボネット

悲劇のティーン・パンク

pass-port

THIS IS IT !

このバンドルは全部で3つのプラグインからなります。
まずは D82 Sonic Maximizer、現在のトップ・モデルである 882i をシミュレートしたものです。Low Contour で低域の処理量を調節し、 Stereo Process で全体的なプロセス量を調節、操作はこれだけです。 さっそく使ってみましたが、おぉ懐かしいあの BBE サウンドそのものでした。 しかし、僕が自分でレコーディングしたものは「輝きが足りない」ということは基本的にないので、積極的に使うことはないでしょう。 何らかの原因で本来の音よりもこもってしまったもの、オケの中に入れると埋もれてしまうもの、などにかけると効果的だと思います。

続いて H82 Harmonic Maximizer、これはなかなか面白いです。 文字通り倍音をコントロールしながらマキシマイズ、低域・高域共にその帯域とかかり具合を調節できるので、さりげなく使えば EQ で音を作るより簡単に存在感のある音を作り出せます。

そして L82 Loudness Maximizer、これはシンプルなリミッターで操作は Sensitivity を動かすだけ、L1 と同じ感覚で使えます。

それぞれさりげなく使えば面白いな、と思いました。 僕は EQ で音を作っていくのが好きではなく、真空管やアナログ機器のシミュレート・プラグインをいくつも併用して音を作っていきます。 このやり方だと位相が乱れにくいのと、引き算ではなく足し算で音を作っていく、というのが好きなのです。 なのでこの BBE バンドルも今後活躍しそうです。
とはいえ特にこの BBE は慎重に使う必要があります。 なぜかというと、全てのトラックに「存在感を増す」効果は必要なく、むしろ「存在感をあまり出さない」トラックも必要だからです。 そしてこういう時にこそこのようなプラグインが実は効果を発揮すると思います。 ただ音量を下げる、音圧を下げるのではなく、マキシマイズしてからそのトラックの音量を下げていけば「さりげなく存在する」絶妙なトラックになるわけです。 この場合の音量の下げ方は単純にヴォリュームでも良いのですが、コンプのアウト、最後に挟んだリミッターのアウト、BBE などのアウト、どれを下げても良く、それぞれ微妙に効果が違うはずです。
こうったことの積み重ねでミックスに奥行き感を出していくわけです。