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このページでは音楽制作エンジニア、葛巻善郎日々の出来事をつづります。

金沢出張

金沢での出張録音に行ってきました。
内容についての詳細はまだ書けませんが、チェリスト・指揮者の宇野哲之さんの指揮する弦楽アンサンブルのレコーディングです。

メンバーは全部で12人(4.3.2.2.1) と弦楽アンサンブルとしては最小編成、曲目はモーツァルトのディヴェルティメントの中から3曲と「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」です。
ホールは金沢駅すぐ近くにある石川県立音楽堂、キャパ1,560 のシューボックス型コンサート・ホールで、オーケストラ・アンサンブル金沢が本拠地としているホールです。

距離 500km弱ということで機材を積み込み車で移動、所沢から関越自動車道に乗り、上信越道・北陸道を経由して金沢までは5時間ほどで着きました。 軽井沢を過ぎると想像以上の雪が残っていてビックリ、写真下は妙高高原 PA での景色、ちょうど夜明けになりきれいでした。

4月

Make Us One

がんばろう、日本!

3月

Vintage Aural Exciter

KAREN ROCKS

新しいリヴァーブ

Wild Frontier

2月

西海岸 AOR コネクション

機材周りの大掃除

1月

謹賀新年

プレイバック 2010 - 10月〜12月

プレイバック 2010 - 8月〜9月

プレイバック 2010 - 6月〜7月

扉写真と下の2枚が録音風景です。 マイク・セッティングはクラシック系の時の僕の定番、ホールの吊りマイクをメインとし、その他に指揮者後方に真空管マイク RODE K2 を2本、そしてセクションごとにオン・マイクを全部で5本合計9ch です。
録音場所は客席後方の車椅子用スペース、ステージからここまでは CANARE のマルチ・ケーブルを使用、各マイクからボックスまでとボックスからマイク・プリアンプまでは持ち込んだレクストのケーブルを使ってます。 不思議なことに、この接続だとマルチ・ケーブルを使うことによるロスをほぼ感じず、レクスト・ケーブルの印象のままで録れるのです。

ホールの吊りマイクは Schoeps KFM-6U、写真でわかるように球体でダミー・ヘッドマイクのような感じです。 これを指揮者後方あまり遠くない位置にセット、同じくアンビエンス用の K2 は指向性を無段階で切り替えられるので、単一と無指向の中間やや単一寄りにしました。 この指向性切り替えは実に素晴らしい機能で、複数の K2 を複数の指向性セッティングで録る、もしくはオーヴァーダブの時に指向性をいくつか切り替えながら録ると、豊かな奥行き感で録れます。
そしてオン・マイクは各セクションごとに上方 1.5m くらいのところにセット、この音をアンビエンス・マイクの音に2〜3割くらい混ぜてミックスするのですが、当然その混ぜ具合は後でいろいろ試せるわけです。

録音場所が離れているので何度も綿密なやりとりはできませんから、基本的には各曲ごとにレコーダを止めずに録りっぱなし、通して何テイクか録り、さらに部分的なテイクもいくつか録り、後日テイクを選んで編集します。 マイク・プリは僕の定番 api 3124+、レコーダは Mackie SDR 24/96、24bit, 96kHz で録りました。

音楽堂の響きは素晴らしかったです。 セッションもスムーズに進み予定通り終了、データを持って帰り、ここから先は Studio CMpunch での作業となります。



金沢は初めてだったので、泊まって翌日観光でもしようと思ったのですが、今回は経由地新潟に僕が以前専門学校で教えていた時の生徒がいるので、久々に会うべく長岡に泊まりました。 それにしても新潟は縦に長い、東京と金沢の中間に長岡があるのです。 下の写真は北陸道 米山 PA から見える日本海です。

それにしても、新潟でも金沢でもみなさん節電をしていた他、移動中は京都から東北へ向かう日本赤十字社のワゴンや救援物資を運ぶトラックを何台も見ました。 「あぁ、今は平時ではないのだなぁ」と実感、移動中に通った柏崎にも原発はあるわけですし、道中の美しい景色に感動しつつも、いろいろと考えさせられた旅でした。