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このページでは音楽制作エンジニア、葛巻善郎日々の出来事をつづります。

プレイバック 2010 - 10月〜12月

続いて10月から年末までにやったお仕事を振り返ります。
レコーディングでは、シンガー菅野忠則さんのアルバムを仕上げました。 録りは夏に横浜のホールでやったのですが、ギター弾き語りをホールで録るという面白い試みでした。
そして同じく夏に福岡で録ったゴスペル・イベント「Japan Fire 4」のミックス、そして夏と秋に録った The Marimba-Duo のミックスが現在進行中、来年の春前には仕上がっている予定です。

マスタリングは全部で15枚、ランブリング・レコーズのものでは「Electro Swing Christmas」「粋 JOURNAL」「No.1 Swing Set」「Forever Melodies Swing Jazz Vol.1」、エアー・メイル・レコーディングスのものでは Natural Gas とKelly Groucutt、それから Cherie & Marie Currie をやっています。

プレイバック 2010 - 8月〜9月

プレイバック 2010 - 6月〜7月

プレイバック 2010 - 4月〜5月

プレイバック 2010 - 1月〜3月

PianoVerb

12月

MAGNETIC

Disco & Soul !

過ぎ去りし日の ・・・

Tube Delay by Softube

11月

君の歌

Mellowmuse Vintage Bundle

ON FIRE

10月

うたのゆくさき

その他単発のマスタリングでは アンジェリーク「グラスハープで聴くやすらぎのスノー・フレイク」、山本 司「10Years」、Pablo「maMa tokyo」、尾野 カオル「Music Tranquilizer」をやりました。

出版社系のマスタリングではリットーミュージック「コンポーザーが教える作曲テクニック99」、KMP 楽譜出版「坂本龍一 ピアノ・ソロ」をやっています。

最後に2010年を振り返ってみます。 昨年も書いていますが、音楽業界の見通しは決して良くはなく、むしろきわめて悪いと言えます。 今年のシングルCD年間ベスト10はある2組のアーチストさんで占められました。 それなりの売り上げですが、問題は曲が良いからという理由で売れたわけではない、ということです。 握手券や投票券ほしさにCDを何枚も買い、本来一番大事なはずのCDは売ってしまう、曲自体は自由な芸術表現の一つとして何ら口を出すことではないと思うのですが、このような売り方で良いのでしょうか?
少し話はそれますが、この年末は出版業界も荒れてしまいました。 売れればどんなやり方でもかまわないんだ、というのはとても残念なことです。 何よりも悲しいのは、あの本のレビューの中に「ついに出版業界も音楽業界のようになったのか」などと書かれていたことです。 そんな情けない業界に自分が籍を置いているとしたら、こんな悲しいことはありません。

愚痴や文句ばかり言っていても、何ら状況は変わらないでしょう。 来年からは、今まで以上に自分がこの業界で、そしてこの社会の中でできることは何か、を真剣に考えながら仕事をしていきたいと思います。 今年上梓した「レコーディングの教科書」の中や、この日記に何度も書いているように、レコーディングはとても楽しいものです。 何人もの力を合わせ一つの作品を作っていく、「足し算の奇跡」がそこにはあるのです。 そうやってできたCDを一人でも多くの人に聴いてもらいたい、レコーディングとはまさに僕たちの人生の記録なのです。 聴いてくれた人が喜び、癒され、それによってまた僕たちが癒されるのです。

来年からも、もっともっと多くのアーチストさんの力になりたいと思います。 そして、僕の中で長年持っていた夢を、真剣に形にしていきたい、とも思っています。 それが何かはまだここでははっきりと書けないのですが、もしこの日記を読んで何かを感じてくれたアーチストさんがいたら、ぜひ一緒に作品を作りましょう。 そして、音楽の素晴らしさを、僕らがいるこの業界にはこんなに夢があるんだ、ということをこれから社会に出る若者たちに伝えていきたいな、と思います。


kuzumaki.net を一年間見ていただき、ありがとうございました。
来年も引き続きこんな感じでやっていきます。


音楽によって、世界中の街と、すべての人々に平和と愛と微笑み、そして癒しが訪れますように★

良い年をお過ごしください♪