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このページでは音楽制作エンジニア、葛巻善郎日々の出来事をつづります。

TSUNAMI MUSIC

さて、前にも少し書きましたが、今日はオーストラリアと日本両国に本拠を置くレーベル TSUNAMI MUSIC の作品を2枚紹介します。 この TSUNAMI MUSIC、ロック・スピリッツ溢れるメッセージ性を音楽と共に伝えることをポリシーに掲げた素晴らしいレーベルです。
リリースされる作品は基本的に僕がマスタリングをしています。

TSUNAMI MUSIC

一人の力が集まり大きな力となり、大きな津波となり世界を飲み込む!

http://www.tsunamimusic.com.au/

今回紹介する2枚、9月にリリースされCDショップなどではかなり話題になっているようです。 それもそのはず、どちらも本当に素晴らしい内容、僕らが聴いてきたロックがきちんと進化し、今の音楽として理想的な姿となっているのです。
まずは扉写真、Kara Grainger「Grand and Green River 」カーラさんはオーストラリア人女性シンガー、ギターも弾くその音楽性はまさに初期のボニー・レイットやリトル・フィートを彷彿させます。 Rickie Lee Jones や Ben Harper をプロデュースした David Kalish を迎え、Eric Johnson、Amos Lee、Richie Hayward、Arnold McCuller といった豪華メンバーが強力にサポート、全曲捨て曲無しのデビュー盤にして名盤と言ってしまいましょう。 カーラはなんと24歳でルックスもごらんの通り素敵としか言いようがないですが、収録曲の多くは彼女が経験した困難や悲観が表現されており、とても味わい深い作品になっています。

Aoyama Folk Ways

NHK スペシャル20周年記念盤

10月

フラッシュキューブス

“ビッグ・ピンク”をめざして

THE BEATLES 09.09.09

新しいコンプ2

新しいトイレ

9月

SHOES

SPARTA - Naked

新しいコンプ1

The World of DALALA

8月

中世バロック・サウンドと英国ロックの融合

続いて今度はカナダが本拠のバンド Black Diamond Bay「Calm Awaits」(写真下)、これまたかなりかっこいいです。 オフィシャルのフライヤー等には「プログレッシブな音作りとポップサウンドとの融合」 「"Abbey Road" のB面や初期の JOURNEY を想像してほしい」とありますがまさにその通り! アルバムのオープニング曲「Mother's Arms 」が鳴った瞬間何かが始まりそうな、たまらなくロックな香り満載です。Johnny Cash、Nine Inch Nails、Tom Petty、Red Hot Chill Peppers などを手掛けた David Schiffman を惚れさせプロデューサーとして迎えたこのデビュー盤、カーラのアルバム同様恐るべき完成度です。 適度にプログレッシブ、適度にポップ、絶妙のバランスで当たり前のようにこちらも捨て曲無し、きっとライヴはもっとかっこいいんだろうなぁ、と思わずにはいられません。

僕の仕事の中で洋楽のマスタリングはどちらかというと旧譜のリマスタリングが多く、その場合はやはり発売当時の空気感を再現する、ということを最大の目標にします。 TSUNAMI MUSIC の作品は基本的に新譜なので旧譜の時とはアプローチを変え、まずは 24bit, 96kHz の枠を最大限使ったダイナミクスを作ります。 そして低域から高域までのレンジ感も最大限に拡げていくのですが、耳に痛い音にならないよう、何度も何度も繰り返し聴きたくなるような感じを目指して作っていくのです。 作業の最後に 16bit, 44.1kHz にダウン・コンバートするのですが、うまくいくと枠を小さくしても最初に作ったダイナミクス感・レンジ感は保たれるので、CDの枠を超えたなんとも不思議な音が出来上がります。 今回の2枚は録りもミックスも素晴らしかったので、特に苦労することもなく仕上がりました。 2枚共に懐かしい香りはしますが、単なるノスタルジアではなくきちんと新しい音になっている、この地球上に、同じスピリットを持った音楽仲間がいっぱいいるのだなぁ、と嬉しい気持ちになりました。


ぜひ聴いてください!