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このページでは音楽制作エンジニア、葛巻善郎日々の出来事をつづります。

主催レコーディング

久々にドラムを含むレコーディングがありました。 しかも今回はまだ詳細は書けないのですが、僕が主催したレコーディングなのです。 親友でもあるソヘグム奏者 河 明樹 (ハ・ミョンス) さんのオリジナル曲のレコーディング、ここ何年か親しくしている仲間達が集まってくれました。

河 明樹 (HIBARI)

ソヘグム・ユニット HIBARI そしてソロでも大活躍、その音色が癒します

http://sohegum.com/

今回録音したミョンス君のオリジナル曲「夢のあいだ」(仮題)、これは後々彼のソロ・アルバムに収録される予定ですが、それよりも前にある企画で使わせてもらうことになりました。 アレンジとプロデュースは Rung Hyang -ルンヒャン- 、そして参加ミュージシャンはドラムスに豊田稔、ベースに ぢんた、ピアノに PAXQUE こと パク・スンチョル という面々、いわゆるお友達です。

Rung Hyang -ルンヒャン-

シンガー・ソングライター、歌だけなくプロデュースやピアノも素晴らしい

http://rung-hyang.jp/

新年度

puff up レーベル

La Galaxia

深遠なる英国アンダーグラウンドの世界

PSP Mix Pack

Interperformance

3月

Pro Tools 8.0cs2

Flintlock

Rob Galbraith

冬の山中湖

2月

The Blues Band

システム入れ替え_2

システム入れ替え_1

今回録音場所に選んだのは練馬区にあるスタジオ ラウム 338、そうです、僕が以前勤めていたスタジオ、プロとしてのキャリアをスタートさせた思い出のスタジオです。 ここの A スタは広さ約25畳、状態の良い YAMAHA のグランド・ピアノがあり、胴鳴りが素晴らしいドラム Pearl の Z シリーズがあり、そして部屋は良く響くので今回のようなアコースティック楽器には最適です。 しかし今はレコーディング設備を撤去してしまったので、Studio CMpunch からキュー・ボックスを含むすべての機材を持ち込みました。 そして主催レコーディングということでお菓子やコーヒー・紅茶などのケータリングも用意、セッティングは2時間近くかかってしまいました。

ソヘグムは朝鮮半島の伝統弦楽器で、中国の二胡とは兄弟楽器にあたります。 現在使われているソヘグムは改良され弦は4本なのです。 二胡と同様どちらかというと癒し系サウンドのイメージがありますが、今回の新曲「夢のあいだ」は三部構成、真ん中の部分が Tutti (バンド演奏) で、しかも 5/8 という民族舞踊的なパートと 6/8 の雄大なイメージのパートに分かれるというなかなか凝った曲です。 まずは全員で録り方の打ち合わせとテンポの確認をしました。 三部構成のうちの第二部の仮ピアノ・仮ソヘグムをクリックと一緒に録り、次にそれに合わせてドラム・ベースを録り、次にピアノを二部・三部とつなげて録り、次に一部のピアノを録り、次にソヘグムの旋律とほんのちょっと重ねを録り、最後に三部のドラムとベースを録るという、構成同様ちょっとややこしかったです。

ドラムのマイキングはいつもと同じです。 バスドラムに Audix D-6 と YAMAHA Subkick、スネア上下に Audix D-1、ハイハットには MEARI 391 A-8、タムには Audix D-2、トップにはステレオ・マイク RODE NT-4 を使いました。 そしてやや見づらいですが、部屋のドラムからだいぶ離れたところにアンビエンス・マイクとして audio-technica AT4040 を2本、さらにこれは今回初めてですがドラムセットから2m くらい離れたセンターに真空管マイク RODE K2 を1本立てました。 これでドラム全体をモノで録り、コンプを深くかけ、軽く歪ませて全体の芯として少し混ぜる予定です。

ベースはドラムと一緒に録ったのでラインのみ、昨年末に新しく購入した Summit Audio TD100 を DI 兼プリ・アンプとして使ってます。 ぢんた君とは今回初顔合わせなのですが、素晴らしいベーシストでした。 SansAmp で音作りしたものを TD100 でさらに軽くドライブさせ、プリ出力をそのまま録っています。
そしてピアノは今回実験でオン・マイクをステレオで2種類 (NT-4 と 391 A-8)、そしてアンビエンスも録っているので全部で6ch使っています。 オン・マイクといってもアコースティック系なので蓋の中には入れず、写真のように蓋のやや外側から狙っています。 今日のレコーディングに合わせて午前中に調律を入れたので、よく響き、素晴らしい音色でした。 個人的な意見ですが、やはり日本の空気には日本製のピアノの方が合うような気がします。 このようにオン・マイクとアンビエンス・マイクの両方を録っておくと、ミックスの時にその楽器の奥行きと音色をコントロールしやすくなり、また他の楽器とも混ぜやすくなるのです。

最後に録音機材ですが、マイク・プリは大好きな api 3124+ 、年始めの円高の時にアメリカの楽器屋さんから1つ買い足したので計16ch分になりました。 なので、写真には ATI 8MX2 や NTI PreEQ も写ってますが、この2つは使ってません。 レコーダーは Pro Tools ではなく出張用の Mackie SDR 24/96、モニター卓は Mackie CFX20 です。 SDR は AD コンバータが優秀で素晴らしい音で録れるのですが、やはり編集できない、というのはこういったレコーディングではちょっときつかったですね。 とはいえ Pro Tools HD システムはちょっと持って行けないし、LE では音質が … 、となると今のところこれがベストのシステムなのです。
そしてこれも定番ではありますが、今回もレクストの機材が大活躍しています。 すべてのマイク・ケーブルは Z-LNC01 XLR、ベースには Z-LNC01 J、電源ケーブルはプリ・アンプに Z-PRC01 PLAYER、それ以外の機材に Z-PRC01 を使いました。 さらに昨年末に登場したレゾナンス・ピットをラック脇とプリ・アンプの電源ケーブルの両脇に置いています。

現在のラウムはレコーディング・スタジオではないので、プレイヤーと同じ部屋に僕も場所をとりました。 このことにより録っている時にハードディスクの動作音が入ってしまうというデメリットはありますが、使うケーブルが最短ですむので、その音質のメリットはかなりあるはずです。 勝手知ったるスタジオなので音に関してのねらいはすべて思っていた通りに良い感じで録れました。 しかし、新曲ということで多少の打ち合わせや確認が必要になり、思っていた以上に時間がかかってしまい、気がつくと主役であるミョンス君の写真を撮り忘れていました(>_<)

そんなわけですべてのレコーディングが終了したのは26時、遅い夕食をみんなで食べ、明け方近くに帰りました。

仲間達とのレコーディングは楽しいですね。 みなさん最高の演奏をしてくれました。 そして、それを指示するルンヒャンのプロデュースも的確で素晴らしかったです。
これを Studio CMpunch に持って帰り、まず編集をしてからミックスを進めるのですが、仕上がりが楽しみです。

それにしてもみなさん本当におつかれさまでした。