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このページでは音楽制作エンジニア、葛巻善郎日々の出来事をつづります。

無限マイナス at クエストホール

僕がマスタリングをした無限マイナスの新譜「パーフェクトワールド」が無事発売になり、チャートアクションも好調なようです。 そして、その発売を記念したライヴが原宿クエストホールで行われたので観に行ってきました。

無限マイナス

黒虫芸術レーベル所属、遠藤仁平を中心とする異色のアコースティックバンド

http://blog.goo.ne.jp/mugenminus/

なんとこのライヴは SION さんとの2マン公演、まったく音楽性は違いますが強烈な個性という意味では面白い組み合わせです。 最初に SION さんが登場、ミュージシャンはアコースティック・ギターを弾く Bun Matsuda さん一人、きわめてシンプルな弾き語り編成です。 妻が昔 SION さんのCDをよく聴いていたので僕も何曲か知っているのですが、あの声はやはりあのまま、ものすごい存在感でした。

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そしていよいよ無限マイナス登場、「パーフェクトワールド」の曲が中心でした。 ヴォーカルの遠藤仁平君は SION さんのファンなので「感無量です」と最初のMCで言っていましたが、僕にとってもこのライヴは感慨深かったです。 というのも、すでに何度か書いていますが、仁平君とベースの本田祐也君が無限マイナスの前に組んでいたバンド Cock Roach のCDやDVDのマスタリングも僕がやっていて、彼らの成長具合をよく見てきたからです。

Cock Roach の1st.「虫の夢死と無死の虫」は2001年の作品ですが、この時点でバンドの音楽性や仁平君の世界には独特の素晴らしいものがありました。 しかし、なんとこの音源、ミックスされた DAT の音が歪んでいたのです。 わざとではなく、オーヴァー・レヴェルで録音されてしまったのです。 当然ミックスをやり直して、マスタリングはまた出直しになるかと思いきや、「スケジュール的にキツキツなので、なんとかこれでやってください」とディレクターSさんに言われてしまい、その歪んだ DAT からマスタリングすることに。 いくらなんでもデジタル・クリップや歪みは消せないだろうと思いましたが、試行錯誤しているうちに Lo-Fi というプラグインをかけると、なんと歪みが消えてしまったのです。 このプラグインは本来は元音をわざと悪くするために使うのですが、元々良くない状態のこのマスターにかけると、なんときれいになってしまったのです。 本来の質感とはちょっと違う感じですが、歪んでいるよりは良い、ということで結局その音がCDになりました。 後にも先にもここまで元の音を変えたのはこのCDだけです。 強烈な思い出になりました(笑)。

その後バンドも僕も成長し、最後のシングル「ユリイカ」などは相当素晴らしい作品だと思います。

そんなことをライヴ中に思い出し、僕も感無量になっていました。 もちろん初めて観たライヴも素晴らしい表現力でした。


光栄なことにその後も良い関係が続き、無限マイナスの作品もすべてマスタリングさせてもらってます。
「パーフェクトワールド」、本当に素晴らしい作品だと思います。 たくさんの人に聴いてほしいな、と思いながら原宿を後にしました。

これが Cock Roach の1st.「虫の夢死と無死の虫」、忘れられない作品です。