★ welcome to this page daisy <kuzumaki.net ★

このページでは音楽制作エンジニア、葛巻善郎日々の出来事をつづります。

雪 〜あなたがいてくれたら〜

11月も半ばを過ぎ、紅葉真っ只中とでも言いましょうか、 Studio CMpunch のすぐ近くにある桜の名所 小金井公園の木々も今だけの色、紅や黄色に染まっています。 朝晩はすっかり冷え込むようになりました。
まもなく冬の訪れですが、そんな季節にピッタリの曲を紹介します。
池田聡さんの「雪 〜あなたがいてくれたら〜」、昨年自主レーベルから発売していますが、この秋古巣テイチク･エンタテインメントから新たなカップリング曲を加え発売されました。

池田聡

シンガー･ソングライター、優しい歌声で癒します

http://www.satoshi.net/

池田さんとは彼がソロ活動と平行してやっているバンド アポロ･ボーイズからのお付き合いです。 僕より６歳上なのですが、デビュー曲「モノクローム･ヴィーナス」や「マリッジ」、またユニット ICE BOX での活動などもちろん若い頃に見てきたので、アポロ･ボーイズで一緒に仕事するようになって嬉しかったものです。 何の偶然か、僕の親友であるドラマー 吉田太郎君がたまにサポートをしているようです。

この「雪 〜あなたがいてくれたら〜」、昨年の発売の時にも僕がマスタリングをしましたが、今回のテイチクでの発売に際し、光栄にも再度マスタリングの指名をいただきました。 レコーディングした素材そのものは基本的には昨年のものと一緒なのですが、ピアノとドラムの音源を差し替え、再度ミックスしたようです。 アレンジは安部潤さん、気合いの入った素晴らしいアレンジです。 イントロはメロトロンのフルートっぽい音などもあってちょっと懐かしい感じがしますが、歌が入ってくると一気に池田ワールド、サビのメロディーなど本当に素敵です。
そして今回新たにカップリングされたのがデビュー曲「モノクローム･ヴィーナス」の新録セルフ･カヴァー、さらに沢田知可子さんとのデュエット「愛の歌」の２曲です。 「モノクローム･ヴィーナス」はガラッとアレンジを変えているので原曲を知っている人には新鮮に聴こえるでしょう。 「愛の歌」はこの二人にピッタリな大人の曲、という感じです。

３曲共いわゆる A.O.R. っぽい音ですから、僕のマスタリングにはドンピシャリではまり、かなり良い仕上がりになったと思います。
マスタリングをいつもどのようにやっているかは先月末に出した本「マスタリングの全知識」で解説しています。 その本にもちょこっと書いてありますが、最近はMSマスタリングに凝っていて今いろいろ研究しています。 EQ 系の手前、ダイナミクス系のプラグインの前後にMSデコーダを挟むだけでなんかこう良い感じになってしまうのです。 デコーダに挟まれたダイナミクス系のプラグインの設定次第で面白いように奥行き感をコントロールできるのですが、最新のサンレコでもクリス･ゲーリンジャーさんがこの方法の素晴らしさをコラムで書いています。 ちょうどこの曲をマスタリングしたのはこの方法でやり始めたころで、素敵な世界が演出できたと思います。
ちょっと大人っぽい曲が聴きたいな、なんて方にはまさにピッタリな曲ですよ。
今、池田さんはこの曲のプロモーションで全国を飛び回っているようです。 あちこちでミニ･ライヴなどもやっていると思いますが、この名曲がたくさんの人に聴かれ、愛される曲になってほしいな、と思います。

ぜひ聴いてください。

そして左の写真が今年１月に STB 139 で行われたアコースティック編成でのライヴを収録した DVD「2008 Winter's Tales」、ピアノ・ギター・弦カルをバックに池田さんが歌う名曲の数々が素敵です。 この作品ではレコーディングから僕が担当しています。