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このページでは音楽制作エンジニア、葛巻善郎日々の出来事をつづります。 |
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少年歳時記 |
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夏から秋にかけて作ってきた作品を遅ればせながら紹介していますが、今回紹介するのは6月末に発売になった あがた森魚 さんの「少年歳時記」です。 昨年からあがたさんの旧作がマスクラットさんから紙ジャケとしてリイシューされていますが、この一枚だけが今年になってからのリイシューで、僕がマスタリングをしています。 |
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マスクラット・レコード |
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Vivid Sound 内にあるレーベル、隠れた名盤をリイシューしています |
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http://www.vividsound.co.jp/ |
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この「少年歳時記」、オリジナル発売は1993年です。 鈴木惣一朗さんのエヴリシング・プレイが音楽を担当し、週刊新潮の表紙絵で知られた故 谷内六郎氏の絵をモチーフにあがたさんの歌で綴った作品です。 当時はCDブックとして発売されていたため、書店メインでの販売で入手できなかった人も多く、ファンから復刊を強く望まれていた究極のレア・アイテムなのだそうです。 今回のリイシューは通常CDサイズのブック付き豪華デジパック仕様、谷内さんの絵が本素敵です。 |
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サウンドは あがたワールド、「お目出當う」「伯父さんは魚屋さん 」「石炭焚いて走ります (知らない国も走ります)」というタイトルだけでもその独特の世界を感じます。 そして、その後何作か組むことになる鈴木惣一朗さんとのコラボレーションがこれまた素晴らしいです。 音によるコラージュとも言えると思いますが、今のように Pro Tools などなかった時代にこういった作品を作るのはたいへんだっただろうな、同時に面白くてたまらなかっただろうな、とも思います。 |
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旧作のマスタリング、一般的にはリマスタリングと言われている作業をする時は、それがいつ発表されたものなのかをまず一番気にします。 例えばそれが1972年の作品だったとしたら、リマスタリングしたCDを聴いた時に72年の気分になってほしい、当時の空気感を感じられるような音にしていくわけです。 2008年の音になってしまってはいけないと思っています。 具体的には高音の聴こえ方と全体の音圧でその時代の空気感を作っていくのです。 この「少年歳時記」は93年の作品で、この時代は70年代でも80年代でもない、デジタル・レコーディングへと移っていく過渡期と言えるでしょう。 なので「古くさい」サウンドではないはずだと思いますが、しかし あがたワールドだからきっとこんな感じではないかな、といつもよりちょっと悩みながらマスタリングしていきました。 |
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あがたさんの世界、惣一朗さんの音世界、そして谷内さんの絵、すべてが感動的で、そのコラボレーションの輪の中に今回僕が参加できたことを光栄に思います。 |
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