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このページでは音楽制作エンジニア、葛巻善郎日々の出来事をつづります。

Altiverb 7

次々に新しいプラグインがリリースされていく中、コンボルーション・リヴァーブ (実在する空間の音響特性をシミュレートしたリヴァーブ) の先駆けとも言える audio-ease Altiverb が ver.7 へとアップグレードされました。

さっそくインストールして使ってみると、扉写真にもあるようにグラフィカル・ユーザ・インタフェースが大幅に変更され見やすくなっています。
通常のリヴァーブがまず Hall や Room、Plate などタイプを選んでいくのに対し、IR (コンボルーション) リヴァーブはまず空間・場所を選びます。 どちらのリヴァーブもここまでは簡単、しかしここから先の初期反射やら高域の減衰時間などのパラメータをいじっていくと途端に難しくなってしまいます。 使いやすいリヴァーブはこれらのアレンジをすることなく、タイプを決めるだけですでに使えるサウンドになっているものが多く、この Altiverb も空間・場所を選び響きの種類を選ぶだけで素晴らしいサウンドが得られます。
今回のヴァージョン・アップによって、この空間を選ぶ作業が飛躍的に楽になりました。 下の写真にあるように、一覧がサムネイル表示されるのです (写真をクリックすると拡大します)。 順番に Hall、Church、Gear の一覧ですが、これはわかりやすい。

The Greatest Love of All

2月

山中湖にて

名盤再び

謹賀新年

プレイバック 2011 - 3

プレイバック 2011 - 2

プレイバック 2011 - 1

3☆ Colors

12月

Voice Of God

あしたのうた

11月

TLA-100A

Promised Land

雨に泣いてる…

Gear というのは実在する空間ではなく、アウトボードのリヴァーブのシミュレートで EMT 140、EMT 250、Lexicon 224、SONY SDR 1000 などの名機がラインナップされています。 こういったことができるのが IR リヴァーブの良さで、これにとどまらず車の中やトイレの中、面白いところでは隣の部屋、なんていうシミュレートもあります(^_^;)

ミックスでは必ずと言っていいほど使うこの Altiverb ですが、単独では使いません。 僕の著作にも書いてあるように、普通のリヴァーブと組み合わせて使うのです。 入力を同じバスに設定し、ヴォリュームも同じ値にする、つまり同じ割合で組み合わせるのです。 組み合わせるリヴァーブはその時の気分によって変えるのですが、ちょっと前までは IK Multimedia Classic Studio Reverb、その後 Softube TSAR-1 を経由して最近では UAD-2 の Lexicon 224 と組み合わせることが多く、Flux Verb Session がリリースされてからはさらにこれも足して3つを組み合わせています。 これによって実在の空間の響きのリアルさにアウトボード・リヴァーブの素直な響きがプラスされるわけですが、さらにオン・マイクではなくオフ・マイクによりリヴァーブをかけることによって、様々な響きがミックスされた何とも言えないサウンドができるのです。

audio-ease からは定期的に新しいインパルス・レスポンスが提供されるので、それがまたこういった IR リヴァーブを所有する楽しみになっているわけですが、最新の IR はなんとエジプトのピラミッド、13秒の巨大リヴァーブとのことです。
なかなかこれを使う機会はなさそうですが (^_^;)