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このページでは音楽制作エンジニア、葛巻善郎日々の出来事をつづります。

あしたのうた

あの日から8ヶ月経ちました。
季節は再び冬を迎えようとし、ここ東京では日々の暮らしはすっかり元通りになっています。

現在の報道は原発関係のニュース、もしくは復興に関しての良い話題が多いですが、実際まだまだ被災地では支援を必要としているようです。

そんな中、僕の学生時代の同級生であり親友の ha-j くんが、市川喜康さん・マシコタツロウさんと共に STG7-8 を結成し、応援ソング「あしたのうた」を制作しました。 僕はマスタリングを担当しています。

東日本大震災 復興応援ソング あしたのうた

http://ameblo.jp/stg7-8

この曲についての詳細はオフィシャル・サイト (ブログ形式ですが) を参照してください。 多くのミュージシャンが賛同し、素晴らしい曲に仕上がりました。

このCDには「あしたのうた」の男声ヴァージョン、女声ヴァージョン、そしてデュエット・ヴァージョンの3種類が収録されています。 ヴァージョンごとのプロジェクトとなっているため、シンガーはもちろんミュージシャンやスタジオ、そしてミックスしたエンジニアまでもが1曲ずつ違うのです。 そしてその参加メンバーの中に知った顔が … 、ha-j くん同様学生時代からの親友 鎌田雅人くんがピアノで参加しています。

11月

TLA-100A

Promised Land

雨に泣いてる…

りんごの子守唄

10月

Till the End

9月

15枚目

アコースティック・アルバム

8月

RS124

KEATS

7月

Urban Sound Cruise

花想ひ

ヴァージョンごとにミックスしたエンジニアさんが異なるため、ミックス済みのデータは当然音圧や質感がそれぞれでした。 そんな3つのヴァージョンを違和感なく一枚のCDに封じ込めるのがマスタリングです。
マスタリングの方法は通常通り、まずはバウンス・ファイルを取り込みます。 24bit, 96kHz に変換し、api 3124+ → JOEMEEK SC4 → t.c.electronic Finalizer Plus の順に通した音を Pro Tools に戻し、さらに PSP Vintage Warmer をかけながら録音します。 この行程はアナログ・ハードウェアと Vintage Warmer を通すことでアナログ・テイストを加えるためで、Finalizer と Vintage Warmer の設定はほぼ自分の作ったプリセットのまま、Finalizer のマルチ・バンド・コンプの帯域別アウトプットのみ若干エディットします。 そして次は Pro Tools のプラグインのみで音を作っていくのですが、全部で11〜12種類のプラグインを使います。 そのプラグインの中で、曲ごとに微調整してサウンドを整えるのは基本2つか3つ、整えきらない時はもう少し増やして5つほどです。
今回は Waves PuigTec EQP-1A による低域の調整と PuigTec MEQ-5 による中域の調整、そして Massey Plug-ins L2007 Limiter による音圧の調整、この3つで仕上げていきました。 この3つをほんのちょっとヴァージョンによってアレンジしていくだけで、見事に一枚のCDとしての統一感が出ます。 この統一感のさじ加減が難しくも面白いところで、それぞれのヴァージョンの個性も最大限尊重しつつ、にするところがポイントなのです。
今回のマスタリングはチャリティーなので当然無償で参加していますが、親友からの依頼ということで楽しみながら、そして普段以上に真剣に取り組ませてもらいました。 ha-j くんによると、参加したミュージシャンみんながそうだったようです (^_^;)

そんなわけで、思い入れのあるCDがまたここに生まれました。
一人でも多くの人に聴いていただき、また売り上げを100% 寄付に回すため、現在のところ流通させずイベント会場等での手売りのみとなっています。 他の方法での販売も思案中ですが、僕のサイトでも販売に協力することになりました。 一枚500円、送料とクッション封筒代で120円ほどかかりますが、600円で販売しますので、もし興味を持たれた方はこちらからお申し込みください。

見上げる星空に
白く呟いた 願い

かざしたキミの手は
いま僕の胸に 触れている

そう、ゆっくりでいい
あしたのうたを 歌おう

抱えきれない悲しみなら
吐息に乗せて 空に浮かべて
僕とキミとで分け合おう
遠くても、見えずとも、
星の下で 繋がっている

               ↑
マスタリングを終えたCDを持った ha-j くん・市川喜康さん・マシコタツロウさん、この3人を中心にチャリティ・ライヴも全国で進行中です。

我々プロの音楽家がどのようにして復興支援に取り組むか、いろいろな形がある中で、まずは一番得意なことで生産活動に参加し経済を回していく、これも一つの形だと思います。


みんなが元気になりますように★