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日々のことを書きたいと思います。週に2,3回更新したいと思い
ます。
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4周年 2006.6.29
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なんと結婚4周年の記念日、ということで、久々に休みをとり、山梨県大月の温泉旅館「嵯峨塩館」に出かけてきました。ここはよく行くところで、以前の日記にも書いていますので、今回は旅館脇の景色を撮ってみました。季節としては初夏になるのでしょうか、都内よりも少し涼しく、気持ち良かったです。特に温泉が広い、というわけではないのですが、建物や料理などすべてにおいて手作り感溢れるところ、また混んでないところが好きで、何度も訪れてしまいます。途中町営の別の温泉では水を汲むことができるので、ボトルをいくつか持参し、天然水を持って帰りました。この水を料理に使ったり、コーヒー・紅茶などの水として使うと、本当に美味しいのです。
今年は本当にたくさんのお仕事をいただいているので、なかなか休みがとれなかったのですが、良い休日になりました。
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Stanley Smith 2006.6.27
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久々に Buffalo Records の鈴木カツさんがいらっしゃいました。9月に発売予定の Stanley Smith のベスト盤「Since I Met You Baby」のマスタリングです。写真は昨年発売された初のソロ・アルバム「In the Land of Dreams」のジャケですが、この他に Asylum Street Spankers というジャグ・バンド系大編成バンドや、ジャズ・コンボ「ジャズ・ファラオズ」のメンバーでもあり、それらの音源や未発表曲を集めた今回のベスト盤は、カツさんによる選曲・曲順も素晴らしく、究極のジャズ・ヴォーカル作品と(インスト曲もありますが)言えるのではないでしょうか。ちなみに、近年はテキサス・オースティンを主な活動の場にしているスタンリーさん、なんと御年58歳、渋すぎます。
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最後の1曲 2006.6.26
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金剛山歌劇団関連のアルバムを2枚作っていますが、そのうちソプラノ宋 明花(ソン・ミョンファ)さんのアルバムは無事すべて完成し、今プレスにまわっています。チャンセナプ奏者 崔 栄徳(チェ・ヨンドク)さんのアルバムはあと1曲のレコーディングが追加になったと月初めの日記に書きましたが、そのレコーディングが今日ありました。原曲はなんと管弦楽(オーケストラ)の曲で、それをチャンセナプ・コンチェルトのようなスタイルにアレンジしたようです。
最初は全員での一発録りにチャレンジしましたが、早々とあきらめ、セクション別、楽器別に録っていくことにしました。まずは弦楽器と笛を同時に録り、そこに弦楽器を2回重ねました。これにより弦楽器は三重に重なったことになり、管弦楽っぽい感じになりそうです。その後、笛のダビング(ほんの一部)、金管、リード楽器、打楽器、キーボードと重ねていき、最後に主役のチャンセナプを録りました。以前も書きましたが、録音に使った劇団の練習場は良い響きが録れるので、すべての楽器はオン・マイクの他にアンビエンス・マイクも使って贅沢に録っています。マイクは今回はすべて朝鮮のメーカー、アメリのマイクを使いました。ノイマンを意識して作ってあるようで、とても良い感じに録れます。
難曲ということで予想はしていましたが、すべての録りが終わったのが24時過ぎ、片づけして仕事場に戻ったのは26時過ぎでした。録った素材はその日のうちに Pro Tools へ取り込んでおきたいところですが、全部で64トラックぐらいになるので、さすがにあきらめました。ミックスが楽しみではありますが、準備はたいへんそうです。
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トラッド・フォーク、ポップ 2006.6.22
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ストレンジ・デイズ・レコードさんの新譜も同じ21日に発売になりました。今回は British Rock Masterpiece Part 11、トラッド・フォーク、ポップの名作が10枚、全作品僕がマスタリングをしています。写真は Gerry Rafferty「Can I Have My Money Back ?」、グラスゴーのポール・マッカートニーとの異名を持つポップ・スターです。「3分間ポップ・ソング」の王道、まさにブリット・ポップという感じの全曲捨て曲なし、気持ち良く聴けます。この他、The Humblebums(Gerry Rafferty も参加)、Tim Hart & Maddy Prior、Martin Carthy、Prelude、Richard Harvey、Dransfield というラインナップ。僕はこの中では Prelude が気に入りました。清涼感溢れるウエスト・コースト的なメロウ・フォーク・サウンドが素晴らしいです。
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カルト・レーベル 2006.6.21
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エアー・メイル・レコーディングスさん今月の新譜第2弾はなんと今回から始まったシリーズ、ブリティッシュ・カルト・レーベル・コレクション Vol.1 です。わずか数枚〜数十枚のリリースで音楽シーンから消えてしまった60〜70年代に生まれた無数のマイナー・レーベルの中からのセレクションです。今回は3つのレーベルから9タイトル、Open Road、Samurai、Woods Band、Brown + Bond、Duffy、The Symbols、The Exception、Sweet Slag、One Way Ticket と、確かに聞いたことのないバンドばかりです。しかし、サウンドの方はこれがけっこう面白いものばかりでした。まさに隠れた名盤です。写真は Open Road、ドノヴァンのアルバム「Open Road」の参加メンバーにより結成されたバンドですが、アメリカ西海岸系サウンドを英国特有の独特の憂いで表現した、という感じのサウンドです。マスタリングは、どれもけっこううまくこの時代の音と、マイナー・レーベルっぽさを表現できたと思います。
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AOR 名盤 2006.6.20
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ちょっと前の日記に、ある名盤再発のリマスタリングをやらせていただく、と書きましたが、その作品とは、ボストン生まれのカナダ人シンガー・ソングライター David Roberts が82年に残した AOR の名盤「All Dressed Up ...」です! もう何年もリイシューが熱く求められていたのですが、権利関係がはっきりせず、長いこと実現しませんでした。その間に91年に出たCDは超レア盤と化し、オークションでは3万円の値が付くこともあったのです。しかし今回、音楽ライター金澤寿和さんが VIVID SOUND でプロデュースする Light Mellow's Choice シリーズの中での待望の再発が実現(その経緯は金澤さんのブログに細かく書いてあります)、縁あって、リマスタリングをやらせていただきました。
このアルバムの特徴は、なんといっても TOTO、Airplay 勢総出演というバック・ミュージシャンの豪華さ、しかも Greg Mathieson の好プロデュースにより、ツボを押さえた絶妙の演奏になっています。また、同じく特筆すべきは David の書く曲の素晴らしさ、全10曲まったく捨て曲無し、故に名盤と言われているわけです。僕にとっても、大好きなミュージシャン Jeff Porcaro が全曲でドラムを叩いている、ということで愛聴盤となっていました。もっとも、レンタルで済ませてしまっていたのでCDは持っておらず、オークションで間違えてアナログ盤を買ってしまい、ようやく最近 AOR コレクターでもあるシンガーの石井一孝さんからもらうことができた、などとまあいろんな意味で思い入れのある一枚なわけです。
マスタリング作業には金澤さんと VIVID のTさんが立ち会い、それぞれの思い入れを形にすべく行いました。このアルバムで唯一残念なのは、82年の作品ということで、良くも悪くも 80's な音になっていることです。つまり若干線が細く、ドラムはキックとスネアばかりのバランスになっているのです。しかし、ここしばらくの間、多くのレーベルさんの、たくさんの洋楽リイシュー作品のマスタリングをやらせていただいているのでノウハウはいろいろあり、この作品もかなり満足のいく感じに仕上がりました。僕のマスタリングでまず心がけていることは、その時代の音を再現する、ということで、アルバムをミックスしているスタジオではこういう音だったに違いない、という音にすることを最大の目標としています。僕のカラーを出す必要はまったくなく、音を聴いて、そのアーチストさんの姿が思い浮かべられるようなサウンドを作るのです。そういう意味で今回のマスタリングはうまくいったと思いますし、きっと David も喜んでくれるでしょう。もう公式に発表になっているので、各レコード店さんやリスナーさんからの反響はかなりあるらしいのですが、きっとみなさんも満足してもらえると思います。
思い入れのある作品なので、長くなってしまいました。7/26 発売です
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Soft Machine Legacy 2006.6.18
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今年2月に脳溢血のため急逝したエルトン・ディーンの遺作である「Soft Machine Legacy」、このアルバムを僕がマスタリングしていることから、ストレンジ・デイズ・レコードさんに招待していただき、Soft Machine Legacy のコンサートに行ってきました(at 川崎クラブチッタ)。ディーン在籍時のソフト・マシーンの傑作「3」「4」「5」(1970年から72年)、そして新作からの選曲という感じの内容でしたが、CDよりもよりアグレッシブな演奏だったような気がします。
定刻通り18時ジャストに始まり、ほぼ2時間のコンサート、どうやらこの後チッタではサッカーW杯の日本 vs クロアチア戦のパブリック・ビューがあったようです。僕も帰ってからじっくり観ましたが……、残念でした。
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愛と祈りの歌 2006.6.16
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2月からレコーディングを始めたテノール歌手天野亨さんのファースト・アルバム「愛と祈りの歌」がようやく完成しました。天野さんは、視覚障害をはじめとする身体の不自由な人々が、それぞれの才能や趣味を生かしての社会的な活動と文化交流などを目的としたチーム「チーム・アウローラ」の主宰者です(アウローラとは、イタリア語で曙、を意味するそうです)。
「愛と祈りの歌」は全13曲、武満徹の歌曲から井上陽水・中島みゆきのカバー曲、そして3曲のオリジナルと幅広い内容です。アレンジは学生時代の恩師塩川眞一さんが担当、卒業後13年ほど経って、初めて一緒に仕事をさせていただきました。
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模様替え 2006.6.15
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写真は僕の仕事場 Studio CM Punch の正面の壁です。大好きな、というより大尊敬しているミュージシャン Jeff Porcaro の写真の右側、とか上の辺りなどは今までに関わらせていただいたCDを飾っていたのですが、去年くらいからのCDを全然飾っていなかったので、少し模様替えをすることにしました。模様替えついでに、ちょっと前にレコーディングしたCDなどを聴いてみたりしていますが、その時のことなどを、CDをかけた瞬間に思い出したりします。僕はわりと自分が録ったりマスタリングした作品は好きになる方なので、「あぁ、あの時こうしておけば良かったな」というよりは「おぉ、けっこう良い音で録れてるな」などと自画自賛したりしています(笑)。3日くらいかけて、最近の作品を多めに飾るようにするつもりです。
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パワー・ポップ 2006.6.14
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僕がマスタリングをしているエアー・メイル・レコーディングスさん今月の新譜第1弾は久々にパワー・ポップ作品、
Screen Test 「Anthology 1980-1986」、それから Tommy Hoehn の「Losing You to Sleep」の2タイトルです。
注目はやはり Tommy Hoehn(写真)、パワー・ポップの名曲として知られるタイトル曲を始め、捨て曲なしの名盤、今回のリイシューでは、ファンには嬉しいボーナス・トラック8曲も収録しています。音も好い感じに仕上がっています。
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結婚式 2006.6.11
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最近レコーディングでお付き合いさせていただいている金剛山歌劇団器楽部の打楽器奏者の河 栄守(ハ・ヨンス)さんとヤングム奏者の金 栄実(キム・ヨンシル)さんがこの度めでたく結婚することになり、披露宴に招かれたので、京王プラザホテルまで行ってきました。河 栄守さんは器楽部の部長でもあるのですが、僕と同い歳ということで、昨年初めてレコーディングをするようになってからすぐに親しくしています。
いわゆる在日の方の結婚式は初めてで、お二人とも劇団の器楽部ということで演奏が多いのだろうな、と勝手に想像していましたが、なんと式は全部で4時間、劇団のメンバー総動員で演奏あり、歌あり、踊りあり、かなり面白かったです。最後は打楽器と笛のセッション、なんと参加者の4割ほどの方も即興で踊りに加わり、ものすごい盛り上がりでした。人のつながりを大事にする、当たり前のことですが、素敵なことですね。
河 栄守さん、金 栄実さん、本当におめでとうございます。末永くお幸せに!
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お勉強 2006.6.9
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今日は年に一度のロックの日、OSX をインストールしなおしたうちの Mac もなんとか調子良く動いています。
最近レコーディングのプロジェクトがほとんど終わって、少し時間ができたため、「お勉強 〜Mastering Studies〜」と題して、自分の好きなCDの中で、マスタリングが古いためいまいちショボく聴こえてしまういくつかのCDを自分でマスタリングしています。今やっているのは Paul Young「The Crossing」これは数曲のドラムを故 Jeff Porcaro が叩いているブルー・アイド・ソウルの名盤です。そして LOVE and MONEY「Strange Kind of Love」これは全曲のドラムをやはりジェフが叩いているこれまた隠れた名盤、そして Oslo Gospel Choir「LIVE」これは単に自分の趣味です。どのCDも今聴くとあまりに音圧がなく、線が細く聴こえてしまうのですが、マスタリングしなおしたことによって、だいぶかっこよくなりました。なぜ Jeff Porcaro が叩いているものを選んだか、それは単にジェフが大好きだから、というのもありますが(Stuido CM Punch の壁にはジェフの追悼号となったドラム・マガジンの表紙が貼ってあります)、もう一つ理由があります。まだ詳細は発表できないのですが、今月、ある名盤再発のリマスタリングをやらせていただくのですが、そのアルバムでは全曲ジェフが叩いているのです。そのプリプロのような、お勉強というわけです。
しかし、普段あまり状態の良くない音源でのマスタリングをたくさんやっているので、メジャー・レーベルの作品のように状態が良いものはさすがに簡単にマスタリングできてしまいます。
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Mac トラブル! 2006.6.6
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レコーディング・マスタリングで使っている Power Mac G4、そして事務仕事等に使っている iMac G4、なんと2台ともおかしくなってしまいました。Norton をかけても、ディスク・ユーティリティで修復しても、途中で止まってしまいます。特に Power Mac は重傷のようで、しまいに OS を認識しなくなってしまいました。あまり Mac を使っていてこのようなトラブルに遭った経験がないので、けっこうビビってしまいます。念のため進行中のデータのバックアップをとり、泣く泣く OS X Tiger を再インストールしました。幸い、去年内蔵ハードディスクを入れ替えた時にパーテーションを区切っていたので、データは完全に無事で、OS を入れ替え、そのヴォリュームのものはすべて消えてしまったので、Pro Tools とマスタリング用の Spark を再インストールし、なんとか復旧しました。様子がおかしかった時にプラグインのバックアップもとっていたので、この復旧は簡単でした。が、Waves の全プラグインと Altiverb のサンプリング・リヴァーブ・データのみ他のプラグインとは違うところにインストールされているのをすっかり忘れ、この2つは再度 web からダウンロードするなど、ほぼ一日がかりの復旧作業、まったく心臓に悪いです。しかし、Pro Tools や、その他ほとんどすべてのプラグインのオーソライズ情報は今は iLok というものに保存されるので、このような時に最小限の復旧作業で済み、便利になったものだなぁ、と実感、ここ最近のハードワークでマシンもお疲れなのでしょうか。
ストレンジ・デイズ・レコードさんの7月の新譜9枚のマスタリングは無事完了、この後はエアー・メイルさんのものをいくつか仕上げます。
そして明日は紙ジャケ・ファン待望のサンタナ「ロータス」の発売日です。史上最大の22面体ジャケット、どう再現しているのでしょうか、もちろん予約してあります。
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こどものための発声本 2006.6.4
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リットーミュジックさんの教則本の付属CDのマスタリング、という仕事をたまにやってますが、5月末に面白い本が発売になりました。武田梵声さん著「こどものための究極☆正しい声のトレーニング」です。キッズ・タレントへの近道、という副題が付いており、こども用の教材という扱いになっていますが、発声の教材にわらべ歌を使ったり、滑舌を良くするためにインドの古典声楽の技法を紹介したり、なかなか今までにない独創的な内容の本だと思います。
僕がマスタリングしているCD部分も面白い内容です。中でも何人かの子供がいっせいにまったくマイペースで数を数え始めるトラック、これは息の数・声の数を数えるトレーニングだそうですが、ヨガの精神世界にも通じるものを感じました。
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近況報告 2006.6.1
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今年前半最後の月になりました。
2月からずっと続いていたいくつかのレコーディングも、曾我泰久さん&石井一孝さんのコラボ・アルバム「Melodies for You」、天野亨さん「愛と祈りの歌」、キヨシ小林さん「Pacific Swing」の順にマスタリングまで終え、残るは金剛山歌劇団関連のアルバム2枚になりました。このうちソプラノ宋 明花(ソン・ミョンファ)さんのアルバムはマスタリングがようやく今日終わりました。チャンセナプ奏者 崔 栄徳(チェ・ヨンドク)さんのアルバムはあと1曲のレコーディングが追加になった関係で、あと1ヶ月くらい続きます。
マスタリングもレギュラーのエアー・メイル・レコーディングスさん、ストレンジ・デイズ・レコードさんを中心に、単発のマスタリングもいくつか予定が入っています。今はストレンジ・デイズさん7月末の新譜9タイトルを仕上げているところ、Donovan、Alexis Korner、Gravy Train など、かなり強力で面白いラインナップです。エアー・メイルさんの方は、やはり7月発売予定の Phil Cordell、Dando Shaft などをこれからマスタリングします。Phil Cordell は Chris Rainbow のような多重録音系ポップ・アルバム、かなりかっこいいです。
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