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このページでは音楽制作エンジニア、葛巻善郎日々の出来事をつづります。
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エリアーナ始動
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スタジオ・エリアーナの機材選びは昨年の夏から始まりました。 ポリシーとしたのは定番機材にこだわらず、自分が好きなもの・良いと思うものにすること、そしてなるべく最新の機材を選ぶことです。
早々と決まったのはマイク・プリアンプとルビジウム・クロック周り、そして Pro Tools のインターフェースです。 扉写真がその機材群、僕がもう何年も愛用している api 3124+ が4台 (16ch分)、そして Slate Pro Audio FOX と TK Audio DP1 が1台ずつ、これらは昨年リリースされたばかりのマイク・プリです (写真は全てクリックすると拡大します)。
レコーディング・スタジオなので、ハードウェアのコンプも1台くらいは必要だろうと思い TK Audio BC1mk2 を導入、これはどちらかというとバス・コンプ的な性格を持つコンプレッサーです。
DAW はもちろん Pro Tools HD ですが、昨年末に HD システムが一新され HDX カードがリリース、今までの Accel カードの5倍の性能を持つ HDX システムが導入できたのは省スペース化にもつながりラッキーでした。
MacPro はこの頃「もう新しいのは出ないのでは」「いずれはスタジオも MacBook を使うようになるだろう」という話が出回り、これはひじょうに難しいところではありましたが、現段階ではまだまだ MacPro を選ぶしか選択肢はないので最上級のスペックにしてメモリも 32G 積んでます (結局つい最近新しい MacPro は出ましたがごく僅かなマイナー・チェンジにとどまってましたね)。
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最下部 Antelope Audio Isochrone OCX の下に見慣れない1U の機材がありますが、これが最新の Cue Box、Movek MyMix の親機です。 LAN 接続で、子機は小さいデジタル卓のような感じです。 当初はアナログの Cue Box (D-Sub 接続) にする予定でしたが直感で MyMix に変更、結果的にはこれも省スペース化につながり、音も操作性も想像以上に良かったです。
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上の写真がメイン・スタジオの全景、天井高はなんと 3.5m です。 この部分はスタジオのオーナー岡田くんが最初からこだわっていた部分で、僕もこの話を聞いて即参加を決めた、エリアーナの一番の売りです。 響きもデッドにならないようにしてもらった他、床や壁の材質までこだわりました。
Zelkova のスネアを含むカノウプスのドラム・セットを始め、Ampeg SVT810AV、Sunn 300T、Orange Terror Bass、VOX AC30 6TB、Marshll JCM900 など、レコーディング・スタジオとしてはかなり状態の良い楽器・アンプを常備しています。
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上の写真はコントロール・ルームの全景、4.5 畳と広くはないですが、この部屋も天井が高いので、圧迫感はありません。
奥に見えるのがモニター・スピーカー、実はこのモニター選びが一番難航したのです。 前にこの日記でも写真を載せたことがある Barefoot Sound MM35 が最初の候補、その後もかなり多くのデモ機材を借りたのですが、どうも今ひとつピンと来ません。 最終的に「パワード・モニターのサウンドがあまり好きではないのだ」という結論を出し、コンシューマー・オーディオの世界に足を踏み入れました。 これがまったく未知の世界で奥深く、どうなることかと思いましたが迷走する中で KEF という英国のブランドと出逢い、秋葉原のショップで岡田くんとデモを聴いて「やっと旅が終わったね」と安堵の表情になったのはなんと施工の始まる4月に入ってからでした。 機種は3way の R-300 です。
パワー・アンプも民生機で HEGEL H70、これがプリメイン・アンプ仕様なのでモニター・コントローラーを置かず、AVID HD I/O からダイレクトに H70 に繋いでいます。 ここもすごく悩んで部分で、となると各ブースへのトークバックはどうするのか、ということになりますが、なんと MyMix は子機にマイクを接続することができ、それをトークバックとして他の子機に流すことができるです。 なんと素晴らしい機能でしょう。
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上の写真左は大きいブース、右は小さいブースです。
つまりはドラム、ベース、ギター (もしくはヴォーカル) の一発録りが出来る独立ブース仕様のレコーディング・スタジオなのです。
下の写真左は Wagnus 久米さんに作ってもらったマイク・ケーブル BELDEN 6302FC が元になっています。 ワイヤリングはパッチベイやマルチ・ケーブルを一切使わないダイレクト接続、広くないスタジオだから出来ることではありますが、これも今回こだわった部分です。 つまり、マイクからプリ・アンプまで、ケーブル1本しか間にない、最もシンプルかつ音質の良い接続なのです。
写真右はこれまたこだわりぬいたマイク群、TELEFUNKEN R-F-T AR-70 と R-F-T AR-51、Lauten Audio Clarion と Oceanous、そしてこれは廃盤機材なので僕の個人所有ですが Crowley & Tripp Recordist 。 比較的新しく、プロ用ではありますがコスト・パフォーマンスも上々、そして全て見た目はもちろんサウンドも気に入っています。
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ようやくエリアーナを紹介することができました。 3月末から施工を始め、5月の連休明けにはレコーディングを始めていました。
既に廣嶋、Furs、そして岡田くんのバンドである SinGerbera のレコーディングを終え、CD が出来上がっているものもあります。
オープンしたばかりですからいきなり予約で埋まるわけはなく、いろんな方に見てもらったりしながら少しずつ広めていき、僕個人の仕事とうまい具合に折り合いを付けていこうと思います。
約1年の間に実にいろいろなことがありました。 決して順風満帆に事が運んだわけではないのですが、結果的には全て良い方向に収まりましたし、個人的にもすごく勉強になりました。 まだまだ世界は広いのだなぁ、と。
スタジオの施工を担当した環境スペース、そして機材やワイヤリングでお世話になった Rock On Pro、宮地楽器 MID、Vintage King、Wagnus、敬称略ですが心からお礼を言いたいと思います。
スタジオのホームページはまだ制作途中ですが、営業開始はしています。 見学等希望の方は、スタジオの HP からでも良いですし、僕に連絡ということでもかまいません。
ぜひ一度見に来てください!
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スタジオ・エリアーナ
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