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このページでは音楽制作エンジニア、葛巻善郎日々の出来事をつづります。

Purple Records _2

さて、前回に続きエアー・メイル・レコーディングス昨年12月リリースのブリティッシュ・カルト・レーベル・コレクション第7弾 Purple Records の紹介(後半)です。

まずは写真下の左の2枚、Hardstuff です。 エピソード・シックスやクオーターマスなどを渡り歩いたジョン・ガスタフソンがアトミック・ルースターのジョン・カン、ポール・ハモンドと結成したハード・ロック・トリオで、まさにブリティッシュ・ロックそのもののサウンド、期待を裏切らないかっこよさです。 続いて写真右下が Carol Hunter「The Next Voice You Hear」、これが今回リリースの15枚の中でも一番の異色作ではないでしょうか、なんといっても彼女、ニール・ダイアモンドのツアー・メンバーとして活躍していたのですから、ブリティッシュ・ハード・ロックとはまったく接点がない感じです。 しかし、レーベル・オーナーの方針であえてハード・ロックとは無縁のような作品をリリースしてレーベルの幅の広さをアピールしたかったのでしょう。 サウンドはなんとカントリーやゴスペル風です。 有名なところではラリー・カールトンがゲスト参加しています。

Purple Records _1

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続いてこれもちょっと異色作、写真左下の Yvonne Elliman「Food of Love」です。 奇妙なジャケットですが、レーベル・メイト、ルパート・ハインのプロデュースの元、ピート・タウンジェントやミック・グラブハム等の豪華ゲストも参加したロック・アルバムに仕上がっています。
そして、扉写真と下の写真右2枚、計3タイトルが Silverhead です。 マイケル・デ・バレスを中心とする5人組のハード・ロック・バンド、僕も若い頃聴いたことがあります。 どれも英国ハード・ロックの傑作であり、ジャケットも含めて素晴らしい作品です。

最後は Elf「Carolina County Ball」、これも名盤ですが、元々はロニー・ジェームス・ディオを中心とするアメリカン・ロック・バンド、このアルバムは英国リリースですが、サウンドはカントリー・ブギーみたいな感じです。 グループは、その後 Deep Purple を脱退したリッチー・ブラックモアと合流し、第1期レインボーとなるのはあまりにも有名な話ですね。 しかしこのアルバムはレインボーの音とはまったく違うアメリカン・ロックで、ディオが歌うカントリー調の曲にはやや違和感を感じてしまいます。 僕はレインボー大好きだったので、関連アルバムとはいえ少しだけ関わることができ、嬉しかったです。

というわけでこの Purple Records 、恐るべきこの幅の広さですね。しかしそれがまた英国ロックの魅力、この時代はどのアーチストも少しでも他と違うことをやろうとしていたことがこれらのCDを聴くとよくわかります。 当たり前ですが、ほとんど全部生演奏なので、独特の空気感を感じますよ。 ぜひ聴いてください。