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このページでは音楽制作エンジニア、葛巻善郎日々の出来事をつづります。

Best Thing I Never Had

長く仕事を続けていると、「奇跡の夜」を目の当たりにすることもあるのですね。 なんと David Roberts の来日公演が実現しました。 しかも、この公演に僕はライヴ録りのスタッフとして参加したのです!

David Roberts といえば、永遠のマスターピース「All Dressed Up」が永い間「最も再発が望まれる名盤」として主に AOR ファンの間で語り継がれていたのです。 その名盤が2年前に Vivid Sound から再発されることが決定した時、その監修をしていた音楽ライターの金澤寿和さんに失礼を承知で「僕にマスタリングをやらせてもらえませんか」とお願いしたのです。 なんと金澤さんはこれを快諾、尊敬するジェフ・ポーカロをはじめとする ToTo のメンバーやジェイ・グレイドン、デヴィッド・フォスターなど超豪華なメンツが参加している名盤を僕がリマスタリングし、発売日にわざわざCDショップに見に行ったりしたものです。

Light Mellow on the Web

音楽ライター 金澤寿和さんが運営、ブログでは新旧の名盤を紹介しています

http://lightmellow.com/

そしてめでたく紙ジャケで再発された「All Dressed Up」は大ベスト・セラーとなり、その好調さに支えられ2nd.「Better Late than Never」、そして未発表曲集「Missing Years」が今年発売になっています。 Vivid さんとは「All Dressed Up」をきっかけに良い関係が続き、もちろんこの2枚も僕がマスタリングをしています。

10月

セガリニ

パート録り

ベスト盤と名盤、どちらも傑作!

大人のピアノ

9月

Aoyama Folk Ways

ルパート・ホルムズ

八ヶ岳にて

Tradewinds Records

素晴らしいヴォーカリスト達

素晴らしいミュージシャン達

今回、当初はグレッグ・マティソンやマイケル・ランドゥなどの LA メンツが来る、という話もあったのですが、結局はフレッド・モーリン率いるナッシュヴィル・チームに落ち着き、これがまた好結果となったようです。 初日こそ細かいミスがあったものの、公演を重ねる毎にバンドの結束も高まり、最終日は本当に素晴らしい演奏でした。
ほどよく埋まったお客さんもとても暖かい雰囲気でデヴィッドを見守り、最終日の予定外のアンコールでは、興奮したお客さんがなんと「1.2.3.4」とカウントを絶叫(笑)。ビックリしたバンドもクリックでのテンポを伝え、結局そのお客さんのカウントで最後の曲は始まったのです、とても感動的でした。
僕は仕事として参加していたものの、初日のリハーサルで「Boys of Autumn」を聴いた時に早くもウルウルとなり、最終日の終盤には汗ではない何かが流れていたような気がします。 終演後、金澤さんと「できすぎた話だよね」と話したりしましたが、本当に一連のデヴィッドとの仕事は僕にとって、信じられない夢のような話なのです。
ライヴ盤が実現するかどうかは確定ではないのですが、この物語はまだ続き、きっと次のアルバムも届けてくれるでしょう。 休憩中にデヴィッドからCDにサインしてもらったり、ナッシュヴィル・チームのメンバーとも仲良くなれ、充実した「奇跡の夜」でした。

リハ前のステージにてデヴィッドのキーボードの前で一枚。デヴィッドは小柄なのです。