★ welcome to this page daisy <kuzumaki.net

このページでは音楽制作エンジニア、葛巻善郎日々の出来事をつづります。

ルパート・ホルムズ

僕がマスタリングをしているエアー・メイル・レコーディングスさん8月のリリースは Discover America Collection の第5回、ルパート・ホルムズの3タイトルです

エアー・メイル・レコーディングス

洋楽の名盤を、紙ジャケットによるこだわりの再現でリイシュー

http://www.airmailrecordings.com/

ルパート・ホルムズというと、70年代後半から80年代にかけて「Escape」「Him」などのヒットを飛ばした A.O.R. アーチスト、という認識が強いと思いますが、今回リイシューされたのはそんな彼の初期の3作です。

まずは扉写真の「Widescreen」、74年発表の1st. アルバムです。 アメリカの良き時代のラジオ・ドラマをオマージュとしたノスタルジックでお洒落なサウンドですが、ルパートとプロデューサーのジェフリー・レッサーは「まるで映画のようなレコードを作れたらエキサイティングだね」という話を常にしていたそうです。 ラジオ・ドラマそのもののような曲もありますが、僕は5曲目の「Talk」が大好きです。

八ヶ岳にて

Tradewinds Records

素晴らしいヴォーカリスト達

素晴らしいミュージシャン達

リズム・トラック録り

Better Late than Never

8月

骨休み

マーク・ムーギー・クリングマン

フルート・トリオ

20/20

SHINING コンサート

そして写真左上が75年発表の2nd.「Rupert Holmes」、自身の名前をタイトルに付けたように、この頃の彼はソングライターとして最も脂の乗っていた時期で、バーブラ・ストライザンドをはじめとする大物シンガーに曲を提供したりもしていました。 架空の映画音楽的な前作から一転、バンド・サウンドを全面的にフューチャーしています。
続いて写真右上が76年発表、エピックでのラスト・アルバムとなった3rd.「Singles」です。 収録曲すべてがシングル・カットできるような作品で、後年のヒット曲「Escape」のサウンド・スタイルの原型が垣間見られます。

その後、マンハッタン・トランスファーやディオンヌ・ワーウィックなどの大物が彼の作品を取り上げ、後に自身もヒット曲でブレイクするのですが、なんとその後にミュージカル界に本格進出、長年の夢を叶えるのです。

ルパート・ホルムズという名前からも想像できるように、彼は英国生まれです。 その英国モダン・ポップ譲りのちょっとひねくれたメロディーとコード進行、そして物語のような歌詞が彼の特徴と言えると思います。


なお、3作すべてのライナーをクール・サウンドの中田利樹さんが書き、導入文は現在一緒にレコーディングをしている日本のミュージカル・スター石井一孝さんが書いています。
僕のマスタリングによって、よりゴージャスな音世界が表現できたと思います。 ぜひ聴いてください。