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このページでは音楽制作エンジニア、葛巻善郎日々の出来事をつづります。

Better Late than Never

2年前の夏に、奇跡のリイシューを果たした A.O.R. の名盤 David Roberts 「All Dressed Up」、幸運にもマスタリングする機会をいただき、大ベスト・セラーとなったのですが、そのデヴィッドのなんと26年ぶりのセカンド・アルバム「Better Late than Never」が同じく Vivid Sound さんからリリースされました。 今回も僕がマスタリングをしています。

VIVID SOUND

洋楽・邦楽問わず、名盤を毎月リリースしています

http://www.vividsound.co.jp/

David Roberts の2枚を始め、僕がマスタリングしている Vivid Sound さんのカタログのほとんどは、音楽ライター金澤寿和さんが監修するシリーズ「Light Mellow's Choice」のものです。

Light Mellow's Choice

金澤寿和さんが監修する大人の音楽ファンたちに向けた CD シリーズ

http://lightmellow.com/lmc/works.html

8月

骨休み

マーク・ムーギー・クリングマン

フルート・トリオ

20/20

SHINING コンサート

サックス・カルテット

ペドラーズ

ホールでの歌録り

わたらせ

7月

Good News

このアルバムの解説は、ライナーや金澤さんのブログなどに詳しく記してありますのでここでは書きませんが、大きな特徴は全10曲が L.A. でのプロジェクト(グレッグ・マティソン・プロデュース) とナッシュヴィルでのプロジェクト(フレッド・モーリン・プロデュース) に分かれることでしょう。 ちょうど5曲ずつなのですが、ミックスが済んで僕のところに届いたマスターの音はまったく違う仕上がりで、意外にも L.A. での音の方がなんというかショボい音でした。 参加メンバーはマイク・ベアード (ds)、エイブ・ラボリエル (b)、マイケル・ランドウ (g)、ルイス・コンテ (per) といった素晴らしいメンツなので演奏そのものは最高なのですが、なぜか音はイマイチだったのです。 一方ナッシュヴィルの音はまさに今の音、といってよい最高の仕上がりで、こんなにも違う仕上がりのものが1枚のアルバムにうまくまとまるのだろうかと、若干不安を感じながらマスタリング作業を始めたのですが、結果的にはとても満足のいくマスタリングができました。 こういった情報をふまえてシビアに聴けばわかりやすいかもしれませんが、パッと聴いた感じではおそらくわからないのではないでしょうか。 ちなみにそれぞれの曲のクレジットはライナーに詳しく載っています。

収録曲の目玉は Starship に提供した「Before I Go」のセルフ・カヴァーと John Waite と共作したロック・バラード「Stay with Me Tonight」でしょうか、しかしどの曲もデヴィッド特有の哀愁メロディ満載です。 彼の歌声も、「All Dressed Up」の時の瑞々しさはさすがにありませんが、ちょっと大人になった感じの今回の声も素敵で、この作品が26年ぶりの録音とはとても思えません。

発売して2週間ほどですが、早くも初回プレス分がなくなってしまいそうだ、ということです。 そして、なんと10月初旬には待望の来日公演が実現、9月末には来日記念盤として未発表デモ・トラック集「The Missing Years」がリリースされる予定です。