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このページでは音楽制作エンジニア、葛巻善郎日々の出来事をつづります。

ホールでの歌録り

先月末から始まったソプラノ小松澤恵さんの賛美CD「Grace」のレコーディング、前回は教会で子供たちのクワイアを録りましたが、いよいよ今日からホールで小松澤さんの歌を録ります。
今回使用したのは大泉学園駅前にある ゆめりあホール、170席の小さめのホールです。 通常ホールにはステージ裏に搬入口があったりするのですが、このホールは ゆめりあ1 というタワー・ビルの5F・6F 部分で、他の階への出入り業者さんなども多く、機材の搬出入がかなりたいへんでした。

レコーディング日程は二日間、5曲ずつ録るというやや強行スケジュールです。 初日はアンサンブルとの共演で、まずはピアノ伴奏にヴァイオリンが加わって「きみは愛されるため生まれた」「一羽のすずめ」。 最初の写真がその様子です。 ピアノは蓋をギリギリまで閉めて、中に RODE NT-4 を入れました。 ヴァイオリンには MEARI 391 A-8 をオフ気味の位置の上方から。 そして小松澤さんの歌には真空管マイク RODE K2 を使ってます。 このように主役となるものにだけ真空管マイクを使うと、ミックスの時に自然に他の音よりも前に出てきます。

わたらせ

7月

Good News

Hula Records

穏やかな空

ジャズ・ピアノが弾きたい!

福生ラバーソールレコード

チリワック

SHINING

それでも僕たちは …

6月

楽譜いろいろ

続いてクラリネットが加わって小松澤さんのオリジナル曲「Hallelujah」、そしてクラリネットとピアノ伴奏でやはりオリジナル曲「クリスマスの喜びを」と「善き力にわれ囲まれ」を録りました。 写真左上がクラリネットが加わった様子、マイクはやはり MEARI 391 A-8 を使っていますが、どうしてもクラリネットが大きめに入ってしまいます。
このようにそれぞれの楽器にマイクを立てていますが、一番基本となるのは客席最前部上方にある三点吊りマイク(ホール常設の SANKEN のステレオ・マイク)で、この音をメインにしつつ、ちょっとずつそれぞれのマイクを足していく感じです。 ということは、演奏はもちろん、その場のバランスや出音がすべてなのです。
録音はどこでやっているかというと、音響調整室ではなく、客席最上部上手側に長机を置き、そこにマイク・プリアンプとレコーダー、そしてモニター用の卓を置いてます。 写真右上は機材を撮ったものですが、右の方にかすかにステージが見えます。
だいたいどのレコーディング・セッションでも4曲目くらいからやや疲れてきて、5曲目辺りになるとちょっと時間がかかったりしますが、やはり今回もそんな感じでした。 しかしなんとか5曲共良いテイクが録れ、若干の編集だけですみそうです。

2日目は歌とピアノのセッション、最初の4曲はピアノ伴奏のみで、賛美歌「めぐみの主は共なり」、有名な「Amazing Grace」、スピリチュアルものが2曲「His Name So Sweet」「He's Got the Whole World in His Hand」でした。
そして最後はオリジナル曲「あなたの示す地へ」、この曲では小松澤さんもメンバーの女声コーラス・グループ、ゴスペル・キャラバン・レプタの4名も加わって計5名でのヴォーカルとなりました。 使用マイクは audio-technica AT4040 と MEARI 391 A-8 、小松澤さんはセンターでやはり RODE K2 です。 曲は小松澤さんのソロから始まり、だんだん他の声が加わっていくというアレンジで、いくつかテイクを録り、ソロ部分は最初のテイク、みなさんが加わってからは最後のテイクを使うことに。 まあこのくらいの編集なら違和感なく繋がるはずです。

それにしても、賛美歌というのはまずタイトルが素敵、そして歌詞が素敵、もちろんメロディーも素敵ですね。 今回僕が印象に残ったのは一番最初に録った曲、「きみは愛されるため生まれた」と最後に録った「あなたの示す地へ」です。

この後はいよいよ先月録った「Good News」の歌を Studio CMpunch で録り、ミックスへと進みます。



ハードな二日間でしたが、素敵な曲と歌声に癒されました。 おつかれさまでした。