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このページでは音楽制作エンジニア、葛巻善郎日々の出来事をつづります。

サックス・カルテット

アルソ出版さんからのお仕事で、山中湖にあるアルソさんの社有スタジオ Studio Upfield に行ってきました。

アルソ出版

SAX、Flute、Clarinet など管楽器専門誌や楽譜集などを出版

http://www.alsoj.com/

今回のレコーディングは雑誌 THE SAX の定期購読者になるとプレゼントされるプレミアムCDのためのもので、もう公式に発表になっているので少し内容を書きますと、サックス奏者 大山日出男 さんをフィーチャーしたものです。 正式なアナウンスは9月末発売の次の号であるはずです。

大山日出男

アルト・サックス奏者、自己のカルテットの他様々なセッションで活躍中

http://www.h4.dion.ne.jp/~jazzsax/

大山さんが今回の企画のために組んだカルテット、メンバーは 西直樹さん(Pf)、小井政都志さん(Bass)、村上寛さん(Dr)です。 みなさんジャズ界のベテラン・ミュージシャンですが、事前にミュージシャンの名前を聞いた時に、特にピアノの西さんに会うのを楽しみにしてました。 僕は尚美学園短大、そして東京コンセルヴァトワール尚美という学校で計4年間作曲を勉強していたのですが、コンセルを卒業後新しく始まったコンピュータ・ミュージックの授業のアシスタントを3年ほどやりました。 その時に何人かお手伝いした先生の中の一人が西さんなのです。 今からもう15年くらい前の話ですが、西さんは覚えていてくれました!

ペドラーズ

ホールでの歌録り

わたらせ

7月

Good News

Hula Records

穏やかな空

ジャズ・ピアノが弾きたい!

福生ラバーソールレコード

チリワック

SHINING

それでも僕たちは …

上の写真はマイクをセッティングした様子です。 ドラムスは下手側に置き、角度を付けてセンターに向けています。 バスドラムは20インチでしょうか、いわゆるジャズ・セットです。 バスドラム前面には穴は空いてません。 使ったマイクはバスドラに Audix D-6、スネアに Audix D-1、そしてオーヴァーヘッドに RODE NT-4 です。 Audix のマイクはきちんと良い位置に置くと、ほとんど EQ を使わなくても良いサウンドが得られるのでドラム録りには欠かせません。
ピアノ(スタンウェイ)はギリギリまで蓋を閉めて、写真のように RODE NT-4 を中に入れました。 そしてウッドベースにはスタジオ所有の RODE NT2000 を使っています。
ホールの全景を2階から撮ったのが一番最初の写真です。 左手前に見えるのがアンビエンス・マイクで使った audio-technica AT-4050、もちろんオペアで使っています。
このように DI などのライン入力を一切使わずマイクのみで一発録りを行う場合は、当然それぞれのマイクに他の楽器の音が多少はかぶってきます。 このかぶりを嫌うミュージシャンやエンジニアも多いのですが、みなさんが同じ音量で演奏すれば、このかぶりもまた空気感を演出する武器となるのです。 今回のカルテット、みなさんベテランであり、共演経験も多いのでその辺のことも熟知しているのでしょう、各マイクのレベル合わせも短い時間ですみ、ヘッドフォン・ミックスへの注文などもほとんどなく、レコーディングはとてもスムーズに進みました。

大山さんはアルト・サックスが専門ですが、今回の企画ではテナーも演奏しています。 そしてほとんどの曲で大山さんの演奏をミュートしたマイナス・ワン・トラックも作るので、大山さんはホールに隣接するブースで演奏、左の写真はホールからブースを写したものです。 使ったマイクは MEARI 391 A-8、上からかなりオフ気味に狙っています。

ベルのところを直接狙うのではなく、楽器全体をとらえるようにセッティングしています。

今回演奏したのは「枯葉」「There Will Never be Another You」「Stella by Starlight」などのスタンダードが8曲、基本的なコンセプトは初心者のためのアドリブ解説なので比較的シンプルな演奏になっていましたが、何曲かは大山さんの解釈で吹くとこうなる、という別ヴァージョンも収録、全部で11トラックになりました。
同じような企画で同じスタジオ、そして録音方法も基本的には同じ、というような仕事をいくつかやることはとても勉強になります。 自分なりのレコーディング方法というものがもちろんあるわけですが、その良いところ、改善すべきところ、などがいろいろ見えてきます。 今回はベテランの演奏に触れた、という意味で貴重な経験でした。 なによりも印象的だったのは、みなさんそれぞれのミュージシャンとの共演を楽しんでいたこと、そして、お互いの演奏をしっかり聴きながら瞬時に自分の解釈を加えていたこと、です。 そして自分の演奏への責任の取り方とでも言いましょうか、本来当たり前のことなのだと思いますが、パンチ・インやテイクの差し替えなどは一つもなかったです。


とても楽しい時間でした。