★ welcome to this page daisy <kuzumaki.net ★ |
||||||||||||||||||||
このページでは音楽制作エンジニア、葛巻善郎日々の出来事をつづります。 |
||||||||||||||||||||
THE BEATLES 09.09.09 |
||||||||||||||||||||
歴史的なビートルズ リマスターCDの発売から2週間が過ぎました。 発売初日は0時から大手レコード・ショップで売り出したり、朝の TV ニュースで取り上げられたりと、それなりの騒がれ方でしたが、あまり僕の周りでは大きな騒動になっていないような気もします。 |
||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||
いろいろな書籍にも載っていますが、専門書として Sound & Recording Magazine 最新号(写真下 リットーミュージック) に載っているガイ・マッセイさん (アビー・ロードのエンジニアであり今回のプロジェクトの中心人物) のインタビューが興味深いです。 今回のリマスターは1960年代にスタジオで聴いていた音を再現するのが目的である、これはまさに僕がリマスタリングをする時のポリシーとまったく同じなので、なんだか嬉しくなりました。 その他、リマスタリング作業は 24bit, 192kHz で行ったこと、iPod などの圧縮音源用にはマスタリングしていないこと、など面白い話が満載です。 |
||||||||||||||||||||
続いてストレンジ・デイズ最新号 (写真下)、なんとここには僕のインタビューが5ページにもわたり載っています。 ストレンジ・デイズ・レコードの紙ジャケCDのリマスタリングを僕がほとんど手がけている縁で、編集長 岩本さんが声をかけてくれました。 この取材を受けるにあたり、一般発売日である9月9日よりも2週間ほど早く、抜粋盤ではありますが EMI さんから貸し出されたCDを聴くことができました。 僕がこのCDを聴いた上での感想や、マスタリング・リマスタリングについていろいろと述べているのですが、概ねガイ・マッセイさんのコメントと同じ解釈の部分が多く、やはりホッとしているところです。 |
||||||||||||||||||||
さて、肝心の音に関する僕のコメントですが、まず一聴して「これは素晴らしい!」と思いました。 おそらく当時のスタジオで聴いていたであろう本来の音、ノイズがほとんど感じられずクリアで自然なサウンドはまさに最高、偉そうなコメントで恐縮ですが、もし僕がこのプロジェクトを手がけたとしてもまったく同じサウンドになるだろう、というようなサウンドです。 EQ やリミッターでの音作りをほとんどしていないので、「だったらアナログ盤を聴けば良いじゃないか」などという意見も見受けますが、アナログ盤の音は外周と内周でだいぶ違うのです。 それにレコード盤をトレースする時のノイズ、そして時が経つと共に増えていくキズを針が拾うノイズ、これらは時に暖かいと形容されますが、アーチストが意図した音ではないのです。 なので、派手な音になっていないからこのマスタリングはイマイチだ、とか薄っぺらい音だ、などという意見もあるようですが、この音こそが本来の音であり、長年聴いてきたノイズの呪縛からも逃れた本当の音なのです。 また、今回のリマスター作業においては必要最小限のリミッティングしか行われていないので、音圧・音量が小さい、というか大きくないのですが、このリミッティングが本当に絶妙で、これぞまさに当時の音と言って良いと思います。 |
||||||||||||||||||||