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このページでは音楽制作エンジニア、葛巻善郎日々の出来事をつづります。 |
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SPARTA - Naked |
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おそらく今年の僕のベスト・マスタリング・ワークのうちの一枚に間違いなく入るであろう、いや、それどころか今後何年も、この作品は僕の代表作です、と胸を張って言えるであろう作品が今月末にリリースされます。 |
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KENSO |
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日本が世界に誇るプログレッシブ・ロック・バンド! |
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http://www1.u-netsurf.ne.jp/~kenso/index.html |
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KENSO はジャンルでいうとプログレッシブ・ロック・バンドです。 そして、若い頃近所の貸レコード屋さんの店長、それから作曲を勉強していた時にお世話になったM先生の影響でプログレが大好きだった僕にとって、 |
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しかし、長いこと頑張って仕事を続けていると、たまには素晴らしいご褒美が天から降ってくるものです。 昨年、親友でもあるシンガー 石井一孝さんのレコーディングの時に、キーボーディストとして参加していたのが現在 KENSO のツイン・キーボードの一人、光田健一さんでした。 光田さんも佐橋さんやM先生同様芸大作曲科卒で、スターダスト・レビューの2代目キーボーディスト、脱退後は小田和正さんのサポート(なんとコーラス!) などを務めていて、やはり僕の憧れの人です。 石井さんのレコーディングは1ヶ月で12曲のレコーディングからマスタリングまでをやるというハードなものだったため、おかげで濃い時間を過ごすことができ、光田さんとも仲良くお付き合いさせていただきました。 |
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その光田さんから今年の春「KENSO」のアルバムをマスタリングしてほしい、という電話を受けたのです! もちろん喜んで快諾し、まだ日程などは決まってないものの、イメージ・トレーニング的にマスタリングの日までのカウント・ダウンのようなことをしていました。 僕のマスタリングのやり方はもう何年も大きくは変わっていませんが、少しずつ変化を加え、またケーブルや DA コンバータなどの周辺機器の使い方も熟知してきたので、そういう意味でも最高のタイミングでこの「SPARTA - Naked」のマスタリングの日を迎えることができました。 |
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この「SPARTA - Naked」、厳密には新譜とは言えませんが、かといってただの旧譜の再発とも違います。 1989年に発表した「SPARTA」、KENSO 中期というか過渡期に発表され、ファンの間では特別な名作という扱いではないようですが、当時はこの年代特有の技術的な限界があり、これを20年後の今年リメイクしてみよう、ということになったそうです。 そして KENSO の作品では、初めてリーダー清水さん以外のメンバーがプロデュースを務めるわけですが、それが当時はメンバーではなかった光田さんなのです。 光田さんもまた KENSOに憧れて加入した経緯があり、最高の愛情を持って、このリメイク作業をしたのだと思います。 まずはリミックスをしよう、ということで当時のアナログ・マルチ・テープからデジタル・データに変換するところから作業は始まります。 音楽的に実は絶頂期にあった KENSO の演奏を細かく分析し、多少の編集をし、テープが劣化し使えなくなっていた部分は光田さんが差し替えたりもしています。 そしてミックス作業もほぼ光田さんが担当、光田さんには素晴らしいエンジニア・チームがいるのですが、この作品のミックスだけはやはり自分がやらないと、と思ったのでしょう。 と、このような経緯で Pro Tools でミックスをしているので、生まれ変わった新しい作品ともいえるわけです。 |
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マスタリングには清水さん、光田さん、そしてエンジニア・チームの一員であるOさんが来てくれました。 そして、このマスタリング作業はしばらく記憶に残るであろう、密度の濃い時間でした。 |
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光田さんが制作秘話に書いているように、アルバム全曲が聴き応えのある名曲で、そして KENSO の作品の中でおそらく最もポップなサウンドなのでとても聴きやすいです。 なんといっても最初の3曲の流れが素晴らしく、僕は特に2曲目「美深」が大好きです。 この曲は北海道中川郡美深町に実際にある景色をイメージして作られたそうですが、KENSO の演奏によって、確かに景色がそこに見えてくるのです。 このマスタリング作業の約1週間後に光田さんはお仕事で北海道を訪れ、車での移動中に聴いた「美深」は天からの贈り物のように聴こえたそうです。 僕はこの曲を山梨県で聴いてみましたが、やはり素晴らしく、まるで自然界のサウンドトラックのようでした。 追記 : 15日にはCD発売記念ライヴが川崎クラブチッタであり、清水さん・光田さんと再会してきました。 広いチッタが満員の観客で埋まり、暖かいライヴでした。 |
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