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このページでは音楽制作エンジニア、葛巻善郎日々の出来事をつづります。

どれ位 …

音楽の仕事をするようになって15年くらいになります。 プロフィールのページにもかいてありますが、その期間を大きく分けると、スタジオ･ラウム 338 のスタッフから始まり、独立して先輩と共同で会社を経営し、そして再独立して今に至るので３つに分かれます。

学生時代の友人達を除くと、キャリア初期のラウム時代からのお付き合い、という人はそんなに多くないのですが、その中の一人、つまり大切な友人が、この春結婚しました。 僕から友人、などというのは失礼で、この人の方がずっとキャリアは長く、僕が小学生の時すでに芸能界で活躍されていたので、大先輩です(そこまで歳は離れてませんが)。
にもかかわらず、この大先輩はいつ会っても明るく前向きで、お互いの夢を語り合い、もう何枚も一緒にＣＤなどを作っていますが、いつもレコーディングが終わると「ありがとうございました、素敵なＣＤになるね」と言ってくれます。

この結婚に際して、メモリアルＣＤを作ることになり、もちろんレコーディングで協力させていただきました。 そして、これは偶然なのですが録音はスタジオ･ラウム 338 で行うことになり、約７年ぶりに練馬の懐かしいスタジオに行ってきました。 独立するにあたって、必ずしも円満にことが進んだわけではないのですが、オーナー夫妻は僕のことを暖かく迎え入れてくれました。 人の縁とは本当に素晴らしいですね。

メモリアルＣＤは過去の音源と新しい録音で構成されているのですが、その中に「どれ位 … 」という曲があります。

僕は今日まで　いったいどれ位の人に出逢えたんだろう
そしていったいどれ位の人　守ることできたろう
きっと今日から　いったいどれ位の人と出逢えるんだろう
そしてひとりひとりをどれ位　愛することできたろう

サビはこんな詩なのですが、このＣＤを作りながらこの曲を何度も聴き、もう一度マスタリングからやり直し、なぜか僕の方が感無量になってしまいました。 この曲を含むアルバム「No5」(写真)は、Pro Tools を使い出して間もない頃の制作で、みんなで試行錯誤しながら新しいレコーディングを試していってた時代だったので、そんなことを思い出したりもしました。アルバム収録曲「Holy Night」は今でも僕の代表作と自信を持って言えますし、ラスト曲ではループ素材をさらに手作業で編集したりして、苦労したことをよく覚えています。
それからいったい、どれ位のＣＤを作ってきたのでしょうか。

曾我泰久さん、ご結婚おめでとうございます。
これからも一緒に素敵な曲を作っていきましょう。