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このページでは音楽制作エンジニア、葛巻善郎日々の出来事をつづります。 |
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バックグラウンド・ヴォーカル・アレンジ |
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前回はバックグラウンド・ヴォーカルのいろいろな録り方、ミックスの仕方などを書きましたが、今回はその続きで、レコーディングよりも前の段階、アレンジについて、今進行中の Apollo Boyz と青木カレンさんの場合を例にとって書きます。 |
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まず一番簡単なのはリード・ヴォーカルと同じ旋律を歌う(ユニゾン)、というものです。 リード・ヴォーカルと同じ人が歌えばダブルになり、これはこれで厚みがでます。 曾我泰久さんは、ソロ作品の時に必ず1曲は全編ダブル、というのをやりますね。 ダブルにした時に面白い効果が出るかどうかは、その人の声質にもよります。 リードとは別の人が歌えば違う成分の声が入ることになり、やはり厚みが出ます。 今回のアポロ・ボーイズのレコーディングも多用したのがメンバー全員でのユニゾンで、多くの声が入ることによって、なぜかそれぞれの声とは違う声が聴こえてきたり、全体で大きな一つの声に聴こえたりします。 |
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青木カレンさんもダブルはよく使います。 カレンさんの場合はソロ・ヴォーカルなので、あまりバックグラウンド・ヴォーカル自体多用しないのですが、曲中のサビの部分だけダブルにしたり、はよく使う手法です。 この時、リード以外にもう1本だけ録って同じセンター定位で重ねる場合と、2本録って左右に拡げてリードに混ぜる場合とがあります。 左右に拡げる手法の場合は、ハモってないのに不思議な拡がり感を感じることができ、特にカレンさんの声には効果的です。 |
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続いての手法は、これも当たり前ですが、リード・ヴォーカルとは違う旋律を付ける、いわゆるハーモニーです。 サビで盛り上がる部分に上下のハーモニーを付けてみたり、2番のAメロに部分的に上の旋律を付けてみたり、といろいろなアレンジが考えられます。 ソロ・アーチストの場合は自分ですべてやるしかないのですが、ちょこっと別の人の声を加えるというのも面白いです。 バンドの場合は他のメンバーがハーモニーを付けることによって、厚みが出ますね。 アポロ・ボーイズの場合はみなさん歌えるので、曲ごとにメンバーで考えながらいろいろ試します。 曾我さんの曲に池田さんがハーモニーを加える、池田さんの曲に曾我さんとみのすけさんがハーモニーを加える、など何人でハモるか、などもいろいろ試したりします。 僕が録る場合はハーモニー・パートは必ずダブルで録り、左右に拡げてミックスします。 ダブルで録ったものをそれぞれコピーして、左右の定位を反対にし、タイミングを少しだけずらしてミックスすると、人数感がさらに倍になり、不思議な厚みが加わったりもします。 |
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このように、バックグラウンド・ヴォーカルは、アレンジ面でも、レコーディング面でもたくさんの可能性があり、それぞれ面白い効果になるので、アルバムのレコーディングの場合は曲によっていくつかの手法を使い分けたりしますが、こういったことを考えたり試したりするのはレコーディングの醍醐味で、曲がそうやって形作られていくのを見ていくのは、なんとも楽しいです。
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