kuzumaki.net
home
profile
works
studio CMPunch
faq
daisy
contact

日々のことを書きたいと思います。週に2,3回更新したいと思い
ます。

夢の中の散歩 2007.7.31

昨年末に1st. アルバムをリリースした無限マイナス、今回は主催イベント「右脳夏祭り」会場限定販売のシングルCD「夢の中の散歩」のマスタリングです。 ヴォーカリスト遠藤さんとは Cock Roach からのお付き合い、メンバー4人とレーベルのSさんが来てくれました。
ご覧のようになかなか独特の空気をかもしだし(笑)、この写真で見る限りレーベルのSさんまでもがメンバーのようですが、今回2回目とあってマスタリングは和気あいあいと進み、2曲入りシングルということもあって、あっという間に終了しました。 曲・演奏共に相変わらず素晴らしい音世界で、僕はけっこう好きです。
8月18.19日に、渋谷屋根裏で開催される「右脳夏祭り」の会場内でまずは独占販売だそうです。 おつかれさまでした。

というわけで、7月もたくさんのお仕事をいただきました、本当にありがとうございます。 曲の誕生を見守ることができるレコーディングは本当に楽しいですね。 今月はマスタリングもたくさんしていて、8月以降次々にリリースされますので、またご紹介します。

My Favorite Things 2007.7.29

午前中に選挙に行き、午後から青木カレンさんの歌録り、今日は2曲目です。
今回のアルバムは5組のアーチストとのコラボレーションなのですが、今日は、今月1st. アルバムをリリースしたばかり、京都出身でクラブ・ジャズ・シーンで活躍している JABBERLOOP とのコラボ、名曲「My Favorite Things」のカバーです。 打ち込みなしの完全アコースティック・アレンジ、なかなかクールでかっこいいです。 この曲の歌詞は早口言葉のような感じで、なおかつテンポも速いので歌はたいへんそうでしたが、わりと短時間で良いテイクがとれました。 真空管マイク RODE K2 を使うことにより、ソフトに歌ってもかなりの存在感で録れるので、今回もこのマイクは大活躍しています。 この後しばらく歌録りが続き、それからミックス・マスタリングへと進みます。

旧友 2007.7.28

仕事をし始めてもう15年くらいになるのですが、音楽学校時代の同級生や、一番最初の仕事で知り合った友人達とは、今でも良いお付き合いをしています。 学校を卒業後、幸運にも練馬に当時新しくできた Studio Raum 338 というところにスタッフとして入ることができ、そこでレコーディングやスタジオ運営全般をオーナーさんのご理解により任せてもらったことが、今の僕の原点であると言えます。 その頃、一緒に苦楽を共にした友人から招待してもらい、シンガー なないろなつき さんのライヴに行ってきました。
そこでギターを弾いていたのが種田博之君(写真左)、彼とはお互いの一番最初の仕事で知り合いました。 そしてドラムを叩いていたのが吉田太郎君(写真左)、彼とは Studio Raum 338 で出会いました。 僕より4つ年下で、知り合った時彼は17歳くらいでしたが、そのころから抜群なセンスを持ち合わせ、僕の周りの中でいち早くプロの世界に入った一人です。 二人とも今はミュージシャンの世界で大活躍していますが、彼らと一緒にバンドを組んだり、スタジオで語り合ったりしたことは今でもハッキリと覚えています。
ライヴは想像通り、素敵でした。 なつきさんの曲を、歌を、完璧にサポートしていました。 もちろん今の方が経験や実績を積んで、実力もあるわけですが、昔と同じように演奏しているその姿に、僕は感動してしまいました。 彼らは今でも僕の憧れでもあるのです。
写真は終演後のロビーにて。 打ち上げにも参加しましたが、僕の記憶とは別人のようにはじけた種田君の姿が印象的でした(笑)。

アレア 2007.7.26

僕がマスタリングをしているストレンジ・デイズ・レコードさん今月の新譜は、先月から始まったイタリアの名門プログレッシブ・ロック・レーベル Cramps の第2弾、看板アーチストとも言える、Area の'73年から'79年にかけての7タイトルです。 アレアといえば、PFM と並ぶイタリアン・ロック・バンドの代表格ですが、その特徴はデメトリオ・ストラトスが歌う左翼的な歌詞、ヘヴィ・ジャズ・ロックに地中海音楽のエッセンスを盛り込んだサウンド、そして驚異的な演奏能力です。 そして、それは写真のデビュー作「自由への叫び」('73年発表) ですでに完成されています。 名曲「7月, 8月, 9月(黒)」などで聴けるストラトスの超人的なヴォイス・パフォーマンスはまさにオンリー・ワン、曲の構成やアレンジ、素晴らしい演奏など、今聴いても充分にかっこいいです。 今回の7タイトルの内訳は、スタジオ・アルバムが4枚、ライヴ盤が2枚、そしてコンピ盤が1枚です。
元々マスター音源の状態は良かったのですが、マスタリングによって、さらに厚みを増し、重い低音、熱い中域、そしてエッジのある高域、という感じのサウンドに仕上げました。 デザイン・ワークも作品ごとに独特で素敵ですし、内容も、特にスタジオ・アルバムは素晴らしいです。 ぜひ聴いてください。

最終日 2007.7.25

金剛山歌劇団 木管アンサンブルのレコーディング、残っていた1曲と、ほんのちょっとの録り直しをしました。
まずは「ムグンファサムヒョンジェ」の曲中にほんの少し出てくる高音タンソの録り、いつもはタンソを吹く、金 成哲 (キム・ソンチョル) さんが持ち替えです。 タンソは朝鮮の民族楽器の中で最も小さい縦笛で、西洋の楽器でいうとピッコロに近く(高音チョッテもそうです)、音はタンソの方が高音が鋭い感じです。 高音タンソはタンソよりもさらに高音が出るのですが、写真でわかる通り、かなり小さいですね。 オン・マイクの MEARI 319-A8 が大きく見えます。音もさらに甲高く、いろいろな動物や鳥が反応しそうです(笑)。
続いて前回良いテイクが録れなかった「ウナスワ〜ポンファンセ」(2曲のメドレー)、前回はホールとブースに分かれましたが、今日はホールで二人が横に並んで、いわゆる一発録り。 写真左はチョッテの姜 年浩 (カン・ニョンホ) 君、ソロ楽器には真空管マイク RODE K2 を使ってます。 今回のCD用に録音したのは、編成の大小はありますが、基本的にアンサンブルです。 しかし、このメドレーのみチョッテと、コムンゴという琴のような楽器によるデュオなのです。 写真右下がそのコムンゴ、奏者は普段は打楽器の 河 栄守(ハ・ヨンス) さんです。 彼は僕と同い年で器楽部部長、6月の「響 -Hyang-」公演では歌も歌うなど多才です。 このコムンゴはかなり特殊な奏法、相当に集中力も必要なようで、そんなに何回もできないよ、と言いながら、それでもデュオだけに二人共が納得できるテイクを求め数テイク録りました。 今回は二人一緒の部屋で録ったということと、二人の集中力・緊張感が良い具合に作用し、良いテイクが録れ、これにて今回のレコーディングは終了です。この後、少し間を置いて、9月からミックスへと進みます。 おつかれさまでした。

最近思うこと 2007.7.24

ここ最近は金剛山歌劇団 木管アンサンブル、ピアノ弾き語りのルンヒャン、それからジャズ系の青木カレンさん、のレコーディングとミックスを進めているわけですが、最近僕が特にミックスの時に気を付けていることがあります。 それは、作品から自分の影を消す、ということです。 音を聴いて、「あれ、これはどうやって録っているんだろう」とか「どうやってミックスしてるのかな」などと思わせることなく、そのアーチストの姿のみが浮かび上がるような、そんなミックスができたらいいな、と思っているわけです。 というのも、いろんなCDを聴いた時に、そのアーチストの姿がズバリ目の前に見えるものと、そうでないものがあり、そうでないものは、コントロール・ルームでエンジニアがツマミをいじっている姿がなぜか思い浮かぶのです。 これではそのアーチストの作品とは言えません。 もちろん、僕の音作りの特徴を知っている人が聴けば、「あ、これは葛巻さんが手がけた音だ」というのはわかると思いますが、なるべく僕の顔が出てこないミックス、これを心がけています。 今やっている上記の作品の中で、ルンヒャンのアルバムはまもなく完成しますが、このねらいがかなりうまく表現できた (というのもおかしな表現ですが)と思います。 思いっきりリアルで、素のままのルンヒャンの歌声とピアノが聴こえます。 実際のところはリヴァーブを2種類使ったり、ディレイやリヴァーブを深めにかけたりして、リアルというのとは違うのですが、スピーカーから聴こえるのはルンヒャンそのものなのです。 アーチスト・サイドもこの意図を気に入ってくれたのか、アルバム・タイトルは「Innocence」になりました。全5曲と短めのアルバムですが、本当に素敵な作品になると思います。 他の作品においても、この方向性をキープできるようにしたいものです。

ジギタリス 2007.7.22

Nomadic Records さんのマスタリングを昨年からやらせていただいてますが、その第2作目、ジギタリスの2nd.アルバム「SYZYGIA」のマスタリングを行いました。 バンド・メンバー全員とレーベルの平山さんが来てくれました。
ご覧のように4人編成で、曲はすべてヴォーカル山本さんの作、わかりやすく書いてしまうとケイト・ブッシュのような、演劇的で浮遊感のある女性ヴォーカルが印象的です。 全部で8曲なのですが、前後半を4曲ずつに分け、それぞれの4曲は繋がっているようにしたい、との希望でした。 曲を繋げつつ、かつCDプレイヤーでその曲(例えば2曲目)から選曲した場合に、前の曲のエンディングの切れ際を聴かせることなくスタートさせるには、ちょっとしたコツがあります。 曲同士を完全にくっつけないで、曲の終わりと次の曲の冒頭にそれぞれ 300msec 程度の空白を入れれば良いのです。 しかし、その空白の入れ方だけでなく、前の曲の終わり方、次の曲の始まり方によっても、聴こえ方が変わってくるので、その曲に合った繋げ方を都度考えるわけです。
レーベルの方向性として、できる限り大きな音で、というのがあり(まあみなさんそうですが)、前回の cutie pies の時もなかなかたいへんだったのですが、そのおかげで音圧を上げるノウハウもつかみ、今回はわりとすんなり音作りできました。
10月10日発売予定だそうです。 おつかれさまでした。

ミックス二組 2007.7.20

なんと今日も青木カレンさんとルンヒャンのダブル・ヘッダーです。 まずは青木カレンさん、15日に歌を録った「Butterfly」のミックス、といっても、アルバム用のミックスではなく、先行してBS朝日の番組でかけるためのミックスです。 編成はピアノ+ウッド・ベース+ドラムスのトリオにサックス、トランペット、パーカッション、そしていくつかシンセが足されている感じの比較的シンプルな編成、トラック数もそんなに多くはないです。 カレンさんのヴォーカルはメインに加えてダブルになったり、さらにそこにハーモニーが加わったりと、全部で6チャンネル。 打ち込みのパッドを軽く歪ませて奥から美しく拡げて出す、という以外はエフェクトもシンプルにまとめ、なんとかひとまず完成。 アルバム用にはここからもう少し追い込んだミックスにするつもりです。 最後にカレンさんと今日集まったスタッフで一枚、おつかれさまでした。
続いて夕方からルンヒャンのアルバムのミックス、前回15日に作った3曲の仮ミックスを参考にし、全5曲を仕上げていきました。 主役であるルンヒャンの歌声をどれだけ出すか、そこに尽きるわけですが、前回のミックスでだいたい理想となる感じがわかったので、今日は確信を持って作業に臨みました。 全5曲ですが、それぞれちょっとずつ違いを持たせることによってアルバムの中での流れを作ります。 基本的にピアノ弾き語りのシンプルな編成なので、そんなに時間もかからず、順調に終了、良い感じに仕上がったと思います。 あとは最終チェックをして、必要であれば修正をし、マスタリングへと進みます。
写真は今回アドバイザーとして参加しているルンヒャンのバンド・メイト、ドラマーの豊田稔君との2ショット、豊田君を若干前に配置することによって、ルンヒャンが小顔に見える、というのをねらったわけではありません(笑)。 おつかれさまでした。

田舎ロック 2007.7.18

エアー・メイル・レコーディングス今月の新譜第2弾は好評の British Legend Collection Vol.42、 「リンディスファンタスティック!!」と題して、Lindisfarne 関連の5タイトルです。 リンディスファーン 、イギリスでは今でも国民的人気を誇るフォーク・ロック・グループ、ということですが、恥ずかしながらまったく知りませんでした。 今回は、グループ再活動期のアルバム3枚と、中心人物アラン・ハルの別プロジェクト Radiator 唯一のアルバム、そしてアラン・ハルのソロ・アルバム1枚、の計5タイトルですが、どれも素朴で優しいメロディーに満ちあふれています。 ディスク・ユニオンの宣伝文には「田舎ロック」と書かれていましたが、まさにその通りだと思います。 写真は Lindisfarne 78年の作品「Back and Fourth」です。
今回の5枚、どれも大好きな作品になり、最近よく聴いていますよ。

歌録り二人 2007.7.15

6月から始めたシンガー・ソングライター ルンヒャン のレコーディング、残っていた1曲の歌録りとミックスをしました。 ヴォーカルを録った曲は「Happy Birthday to You」、ボーナス・トラックのような扱いの曲ということであまり細かいところにこだわらず、サクッと終了、続いていよいよミックスです。 基本的にはピアノ弾き語りなので、トラック数は5トラック+エフェクト、だからといってミックスが簡単なわけではなく、ピアノの音量や奥への引っ込み具合、ヴォーカルの音量や前への出具合などの調整はなかなか難しいです。 今日中に全曲完成させるのは無理かな、と判断して3曲の仮ミックスを仕上げ、この結果をふまえ後日完成させることにしました。 納期に余裕がある場合、Pro Tools ではセッティングを完全に保存しておけますから、こういった方法が有効ですね。
続いて夕方からは今日から新しく始まるプロジェクト、ジャズ・シンガー 青木カレン さんのレコーディングです。 よく一緒に組んで仕事をする先輩、NAF の中浜さんとの「チーム中浜」の一員として、歌録りとミックス以降を担当することになりました。 今日は「Butterfly」というオリジナル曲の歌録り、プロデューサーさんを始め全スタッフが Studio CM Punch に集まりました。 オケの流し込みから始め、歌録り用のラフなミックスを作り、プロデューサーのディレクションの下、キッチリとレコーディング。 みなさんの終電ギリギリまでかかってしまいましたが、良いテイクが録れました。
おつかれさまです。

6日目 2007.7.13

金剛山歌劇団 木管アンサンブルCD制作のレコーディング、今日はいよいよソロ録りです。 5曲あるのですが、今日中に録り終えるのでしょうか。 まずは 金 成哲 (キム・ソンチョル)さんのタンソで「トゥルパネソ」、続いて 李 淑任(リ・スギム)さんの高音チョッテで「流光 -リュガン-」、なんとなく予定より遅れ気味に進みます。 続いて 李 文基(リ・ムンギ)君のチャンセナプで「プンニョントゥンクムガンマウル」、そして 金 秀一(キム・スイル)君のテピリによる「セナレキプム」、なんとこの若手二人がハイペースで録り終え、再びスギムさんの高音チョッテで「チャールダーシュ」、これがまた素晴らしく迫真の演奏でしたが、なんとか5曲録り終えました。
写真はテピリを吹くスイル君、彼は2年前に全 明華(チョン・ミョンファ)さんのCDの中の「カゴパ」という美しいバラード曲の間奏でテピリのソロを吹きましたが、この時はなかなかうまくいかず、真夜中に何度も何度もやり直したものです。 ご覧の通りひょうひょうと吹くのが彼の特徴と言えます(笑)。 今回、ソロ録り用に真空管マイク RODE K2 を Studio CM Punch から持ち込みました。 このマイクを使うとより厚い、存在感のある音で録れるので、伴奏の中に埋もれずにミックスできるかな、というねらいです。 もちろんいつもと同様、離れたところにアンビエンス・マイクを2本立ててその音も別チャンに録っているので、機械的でない響きをミックスの時に加えられるようにしています。
今日のソロ録りでレコーディングは終了する予定だったのですが、1曲まだ録り終えていない曲があるので、今後の予定を打ち合わせて本日は終了。 機材は撤収せずにさて帰ろう、と思いきや、外で打ち上げという名の飲み会をしていたフットサル部に捕まり、2時間ほど飲み会に合流、美味しいホルモンをいただきました。 おつかれさまです!

完成 2007.7.11

夜は Apollo Boyz のマスタリング、バンドではどちらもヴォーカルとギターを担当する曾我泰久さんと池田聡さんが来てくれました。 6月に録った新曲2曲(レコーディングから僕がやっています)と昨年既発の5曲を合わせて一枚のCDにします。 当然ミックスの仕上がり具合が違うので、一枚のCDとして違和感なく聴けるかちょっと心配でしたが、やってみたらそんなに難しくはなく、素敵なアルバムに仕上がりました。 CDは7月末に発売予定、そして Apollo Boyz、なんと夏休み期間に「40日間アポロの旅」と題して40日間の全国ツアーに出発、単独ライヴだけでなく、各地のイベントなどに参加するそうです。
頑張ってください!

5日目 2007.7.11

今日も金剛山歌劇団 木管アンサンブルCD制作のレコーディング、まず「ムグンファサムヒョンジェ 」の独奏パートの録りから。 独奏といってもこの曲は笛系の楽器3本による三重奏、姜 年浩 (カン・ニョンホ) 君によるチョッテ、李 淑任 (リ・スギム) さんによる高音チョッテ、金 成哲 (キム・ソンチョル) さんによるタンソです (写真左から)。 約5分の曲で、一つの楽器によるソロだったり、3本のハモリだったり、かけ合いみたいになったり、と簡単な曲ではありません。 何カ所かに分けてなんとか録り終えました。
次は今回録る12曲中最後の曲、同じくニョンホ君のチョッテ独奏と河 栄守 (ハ・ヨンス)さんのコムンゴによる「ウナスワ〜ポンファンセ (天の川と鳳凰)」、2曲のメドレーです。 しかし、この曲を何テイクか録っているうちに終了時間になってしまったので、また後日続きをやることになりました。

木管アンサンブル再び 2007.7.9-10

金剛山歌劇団 木管アンサンブルCD制作の3日目と4日目、さらに編成が小さくなり、木管6本が基本です。 写真のように、練習場のホールに6人が並び、指揮者はなしです。 すべての楽器にコンデンサー・マイクを立て、さらにいつものようにホールにアンビエンス・マイクを立ててます。 楽器は左からチョッテ、高音チョッテ、タンソ、チャンセナプ、テピリ、チョピリです。 右側の3本はリード系、西洋の楽器で言うとオーボエのような音です。 ピリには音域別に何種類かあり、テピリ・チョピリはアンサンブルの中で主に低音を担当します。 チョピリ(低音ピリとも言う)は見た目も音色もファゴットに似てますが、もっとアタックが強い感じです。
9日は「ポンタロカセ (桑摘みに行こう)」1曲のみと、ヤングム (洋琴のような楽器)のオーヴァーダブを何曲かして終了。 10日はいよいよ洋楽のカヴァー、カーペンターズの「トップ・オブ・ザ・ワールド」、ミュージカル『サウンド・オブ・ミュージック』から「私のお気に入り」、ブラームスの「ハンガリー舞曲第5番」の3曲を録りました。 この3曲が思っていたよりも難航、譜面上はそんなに難しくないのだと思いますが、そういうシンプルな曲こそ実は表現が難しいのでしょうか、なかなか良いテイクが録れません。 誰もが知っている有名な曲というのは、やはりそれなりに奥深いのですね。
予定より若干遅くなりなんとかすべて OK テイクが録れ、録音はあと二日間です。

中央線高架化 2007.7.8

音楽とはまったく関係のない話ですが、6月30日の工事が完了し、今月から中央線の下り線がついに高架化されました。 普段なかなか電車には乗らないのですが、今日は打ち合わせがあったので、確かめるべく乗ってきました。 三鷹を出ると、新しくできた高架線へ登って行き、そのまま国分寺まで高架の上を走るようです。 この写真ではなかなか伝わりにくいと思いますが、景色は完全に今までと違います。
上り線も含めた完全高架化はまだちょっと先なのですが、長い間工事していたのを見てきたので、本当にできたのだな、とちょっと感慨深くなりました。 有名な開かずの踏切が解消すれば沿線住民の暮らしは確実に変わるでしょうし、特に僕が住んでいるここ武蔵小金井は駅前の再開発も進めていて、新しい音楽ホールも建てられるようで、近い将来大きく街が変わりそうです。
ちなみに、Studio CM Punch のすぐ近く、小金井橋も、橋を拡げるというなかなか信じがたい工事が今進行中です。

ご近所 2007.7.6

6月末に発売になったCDを2枚紹介します。
まずはエレクトーン奏者 おぎたひろゆき さんの「ありがとう」、おぎたさんは僕よりほんのちょっと先輩、しかも同じ専門学校を卒業し、住んでいるところもかなりのご近所なのです。 これはおぎたさんの 1st. CD、オリジナル曲以外にも洋楽の A.O.R. メドレー、オフコースの「言葉にできない」のカヴァーなどが収録、エレクトーン奏者のCDといっても、エレクトーンのソロだけではなく、ほとんどの曲はバンド・サウンドになっています。 娘さん直筆のかわいいジャケットから曲の内容まで、一言で言うと暖かみを全面に出している、そんな作品です。 僕はここではマスタリングをしていますが、同年代のアーチストによる暖かい作品を、さらに聴きやすく美しい音で仕上げることができたと思います。 月間エレクトーン最新号でも紹介されています。
続いてすっかりおなじみのキヨシ小林さんのウクレレ・ソロ・アルバム「ウクレレ・アダージョ Vol.1」、ここではクラシックの名曲をウクレレ・ソロで演奏しているのですが、こういうCDは今までなかったのではないでしょうか。 「主よ人の望みの喜びよ」「美しきロスマリン」「アルビノーニのアダージョ」など全10曲30分、ジェントリーで夢見心地の素敵な空間です。 僕はこのアルバムではレコーディングからマスタリングまでのすべてを担当、録音は本拠地 Studio CM Punch で行いました。 キヨシさんも小金井市在住ですが、素敵なジャケット・デザインを担当した 星加 海さんも小金井市民、そしてレーベルのディレクターさんはお隣国分寺市民、と近隣のスタッフで固められています(笑)。

二日目 2007.7.4

金剛山歌劇団 木管アンサンブル CD制作二日目です。 前回に引き続き、フル編成からちょっと少なくした編成で、チャンセナプがソロをとる「プンニョントゥンクムガンマウル (豊年の金剛村)」、笛系の三本がソロをとっていく「ムグンファサムヒョンジェ (木槿の3兄弟)」、そして弦楽器がコントラバスだけになって独奏楽器なしの「ハムギョンド農夫歌」の3曲です。
全体の録音はスムーズに進み、その後いくつかの楽器の修正、打楽器のオーヴァーダビングなどをして二日目は終了、ソロはやはり後日単独で録り直すことにしました。 次はちょっと間をおいてから、さらに小編成の曲へと進みます。

英国フィメール・シンガーの魅力 2007.7.4

僕がマスタリングをしているエアー・メイル・レコーディングス今月の新譜第1弾は好評の British Legend Collection Vol.41、 「英国フィメール・シンガーの魅力」と題しての5タイトルです。
Sandy Denny、Twiggy & The Silver Screen Syncopators、 Polly Brown、 Marianne Faithful、そして Julie Covington の5枚なのですが、この中ではサンディー・デニーとマリアンヌ・フェイスフルが有名だと思います。 そして、今日紹介するのは Julie Covington の同名タイトル盤、シンガーよりは女優として高い評価を受けていた女性のようです。 リチャード・トンプソンを初めとするフェアポート一派や、アンディ・フェアウェザー・ロウ(ちょっと前までクラプトン・バンドにいましたね)、ジョン・ケイル、スティーヴ・ウィンウッドなどブリティッシュ・ロック界の錚々たる豪華メンバーがゲスト参加、フィメール・ヴォーカルの隠れた名盤と言えます。 全13曲はすべてカバーなのですが、その選曲センスが面白く、ジョン・レノン、ケイト・ブッシュ、スティーヴ・ウィンウッド、クルト・ワイル、さらにはアリス・クーパーやリトル・フィートの曲までカバーしています。

木管アンサンブル 2007.7.2

金剛山歌劇団 木管アンサンブルのCD制作のレコーディングが始まりました。 木管アンサンブル、具体的にはチョッテ、高音チョッテ、タンソといった笛系と、チャンセナプ、テピリ、チョピリといったリード系に分かれますが、詳しくはまた後に説明します。
今回録るのは12曲、弦楽器なども入れたフル編成だったり、木管6本だけだったりと曲ごとに編成が大きく異なるので、その編成別に6日間レコーディングをしていきます。
初日の今日は一番大きなフル編成の曲を2曲、オリジナル曲の「流光 -リュガン- 」と、「チャールダーシュ」です。 そして、若干編成を小さくして、「セナレキプム (明日への喜び)」「トゥルパネソ (田野にて)」の2曲を録ります。
フル編成の曲は5月に「イムジン河」を録っていますが、それとほぼ同じ編成で、ソヘグム(二胡のような楽器)、チェロ、コントラバスといった弦セクション、木管6本、カヤグム、ヤングムといった琴系の楽器、トランペット2本、そして打楽器セクションです。 「イムジン河」の時はブースを使わず、セクションごとにホールで別々に録っていく「なんちゃってオーケストラ」方式でしたが、今回はホールに弦と木管を配置し、4つのブースに打楽器、金管、ヤングム、ソロ(ガイド用)を配置しての一発録り、そしていくつかの楽器を足していくやり方にしました。 全員を入れた写真は撮れないので、小出しにしていきますが、今回の写真は打楽器ブースに入った3人、指揮者が見える位置に寄り、妙に真剣です(笑)。
最初の2曲、ソロは高音チョッテの李 淑任(リ・スギム)さん、この楽器は西洋の楽器でいうところのピッコロです(チョッテはフルート)。 スギムさんは昨年末にソロCDをレコーディングしていますが、その時の演奏会に合わせて作ったオリジナル曲が「流光 -リュガン- 」、スギムさんがメロディーを書き、高 明秀(コウ・ミョンス)さんが残りを書き上げた壮大な曲です。 クラスターなども使っていてちょっと現代音楽的な部分もあり、演奏はかなり難しいのだと思いますが、なんとか良いテイクを録ることができました。 続く「チャールダーシュ」、イタリアの作曲家ヴィットーリオ・モンティの唯一の有名な曲ですが、最近この曲をフィギュア・スケートの浅田真央さんが演技の時に使っているので流行っているのでしょうか、今年になって聴くのは4回目、録るのは先月の小林なお君に続いて2回目です。 チャールダーシュとは、ハンガリー音楽の一ジャンルで「酒場風」という意味だそうです。 2つから3つの民謡の旋律を組み合わせて、遅い部分と速い部分があるのが特徴です。 華やかなこの曲、楽器によってはそれほど難易度が高いわけではないようで、アンコール・ピースとしても使われますが、笛系の楽器でこの旋律を吹くのはかなりたいへんなのだと思います。
「セナレキプム」ではテピリ、「トゥルパネソ」ではタンソがソロをとりますが、この2つの楽器に関してはまた後日説明します。
伴奏の OK テイクが録れた後は、いくつかの楽器の簡単な修正をして、結局ソロは後日録り直すことにしました。 なんとか初日終了、おつかれさまでした。

ミックス完成 2007.7.1

午前中は明日から始まる金剛山歌劇団・木管アンサンブルのレコーディングの準備を、軽くしてきました。 本拠地がお隣小平市にあるので、こういう時は便利です。
そして午後からは Apollo Boyz 、先月録った新曲2曲のミックスです。 曾我泰久さん、みのすけさん、池田聡さんが来てくれました。 「大人のパンク」というのがこのバンドのコンセプトでもあるので、ミックスでは特にドラムの音をおもいっきり汚し系の音にしていきました。 僕は EQ は嫌いなので、こういった音作りはもっぱらコンプやアナログ・シミュレート系のプラグインで行います。 最近手に入れた Massey Plug-ins の Tape Head がここでも大活躍しました。 また、今回、初めて POD で録った歪んだギターの音に、IK Multimedia Amplitube のキャビネット部分のみを使う、ということをしてみました。 このプラグインでは、ギター・アンプのキャビネットだけでなく、マイクの種類やマイキングなどもシミュレートできるので、とても便利です。 今回は1つのギターの音色につきトラックを2つ用意し、片方は POD を通して録った音のみ、片方は Amplitube をインサートし、キャビネット部分のみ使い、さらにそこに深くディレイとリヴァーブをかけ、それらを混ぜることによって、エアー感をコントロールしています。 これはなかなかうまくいきました。
荒々しいサウンドというのはあまり得意ではないので、ちょっと時間がかかりましたが、なんとか僕なりの汚し系サウンドができたと思います。 ミックスが終わって、満足げな3人のショットです。
マスタリングは後日行います。 おつかれさまでした。

夏! 2007.7.1

7月になりました。 今年は今のところ空梅雨気味ですね。
近況報告です。 まずはレコーディングですが、 JASCO はミックス・マスタリングが無事終了、プレスにまわってます。 作曲家伊藤志奈子さんの作品集は6月もあまり作業進まず、これからミックスに進みます。 そしてキヨシ小林さん、「ウクレレ・アダージョ」は、第2集のミックスとマスタリングも終わり、今は息子さん小林なお君のCDのレコーディングを進めています。 Apollo Boyz 、そしてシンガー・ソングライター ルンヒャン のCDはレコーディングがほぼ終わって、どちらも今月中に完成する予定です。 そして、明日からは金剛山歌劇団の木管アンサンブルのレコーディングが始まります。
マスタリングではいつものようにエアー・メイル・レコーディングスストレンジ・デイズ・レコード のものを中心にいくつか単発のものが入る予定です。 今は8月リリース予定のアイテムを進めていますが、イアン・ギランのソロ10タイトル、そしてイタリアのクランプス・レーベルの13タイトルをやっています。 学生のころ、当たり前のように通り、バンドでコピーしていたハード・ロックの王道 Deep Purple のヴォーカリストのアルバムをマスタリングできるなんて、なかなか感慨深いです。
写真は特に意味もなく、我が家の愛犬、柴田大豆さんです。 だいたい基本は寝ているのですが、暑くなるとさらにダラ〜っとしています。

6月の日記 5月の日記 4月の日記 3月の日記 2月の日記

2006年の日記を読む

2005年の日記を読む

kuzumaki.net トップページへ戻る