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日々のことを書きたいと思います。週に2,3回更新したいと思い
ます。

波形 2007.3.29


Studio CM Punch、そして僕の自宅のすぐ近くに桜の名所・小金井公園があるのですが、だんだんつぼみが開いてきました。 この週末辺りに満開になりそうです。
先週歌録りをした、金剛山歌劇団のソプラノ歌手 全 明華(チョン・ミョンファ)さんのミックスをしました。 今回は5曲すべてがピアノ伴奏のみなので、そんなに時間はかからず、聴いてもらってからの修正も1カ所のブレス修正のみで、すんなりとマスタリングへ進んでいます。
写真は「ハナ」という曲の歌の波形です。 僕はいつもコンプのかけ録りはしないので、この波形は正真正銘ミョンファさんの歌そのものです。 なんと素晴らしい波形でしょう(笑)。
音というのは空気の振動です。 このことはよくお客さんに熱く語りますが、 気持ちを込めた演奏というのは、空気に乗って必ず聴き手(もしくはマイク)に伝わるのです。 僕らの仕事は、そんな素晴らしい演奏ができるような雰囲気を作ること、そしてその素晴らしい音をきちんと形にすることです。 ですからよくミックスやマスタリングで「葛巻マジックをみせてよ」などと言われますが、僕はただ導かれるままに音楽を形にしているだけで、マジックが起きるとすれば、それはレコーディングの時だけなのです。
波形は空気の振動を形にしたものです。 上下の幅は強弱の幅と考えてかまいません。 不思議なことに、いまひとつの演奏の時は、波形もなにか曖昧な感じになり、良い演奏の時、波形はひじょうに堂々としています。 このミョンファさんの歌、一番は優しく始まり、サビでだんだん盛り上がってます。 2番、そして最後のサビの繰り返しも同じような感じですが、1曲を通じて、だんだん盛り上がっている、後半に一つのピークがあるのがわかると思います。 つまりこの波形にミョンファさんの演奏したドラマがあるのです。 本当に素晴らしい波形です。
「ハナ」というのは朝鮮の言葉で「一つの」という意味だそうです。

ギタリスト 2007.3.26

今日も高円寺の Studio Posh Me で JASCO のレコーディング、前回同様ラップとギターの録りです。
ギタリストはサポート・メンバーの エベ カズユキさん(写真右上)、なんとクラシック出身でヴァイオリンも演奏するそうです。そして1曲だけさらにもう一人ソルトボーイさん(写真左下)がギターを重ねています。 エベ君は比較的オーソドックスなスタイルのかっこいいギターを弾きますが、ソルトボーイ君、写真ではわかりにくいですが、なんと普通のギターではなく、バリトン・ギターという、弦の太いギターを使ってます。 下4本はベースの弦と同じ太さだそうです(笑)。 そしてエフェクターも多い、Mooger Fooger のフィルターも使ってました。そして彼はブラスバンド出身だそうです。
当たり前のことではありますが、いろんな人のグルーブや音楽感が加わることによって、曲にどんどん新たな息吹きが加わる、レコーディングは楽しいです。
ところで写真右下は Studio Posh Me のコントロール・ルーム内ですが、ラックの右手奥に観葉植物があり、なんとその中にトーク・バック用のマイク SM-58 が隠されているのが見えます(笑)。

パワー・ポップ 2007.3.24

エアー・メイル・レコーディングス今月の新譜第2弾は、久々のパワー・ポップもの、パシフィック・ノース・ウエスト・パワー・ポップの雄 The Heats 80年発表の1st. アルバム「Have an Idea」です。 なんとこのアルバムのプロデュースは Heart のメンバー、ハワード・リースとアン・ウィルソン、Heart (スペルがお互い似てますね)といえば、「バラクーダ」や「マジック・マン」「ホワット・アバウト・ラヴ」等の大ヒットで知られる僕も大好きなバンドです。 サウンドはニック・ロウやデイヴ・エドモンズ、エルヴィス・コステロといったブリティッシュ・ニュー・ウェイブのアーティストから影響を受けたと思われる、シンプルでポップなロックン・ロール、なかなかの好盤です。

JASCO 2007.3.21

先週くらいから準備はしていましたが、本格的に僕が参加してのレコーディングは今日から、 JASCO のレコーディングが始まりました。 メンバーのねじ君とは 2001年の HONDALADY「PRINCE」のレコーディング以来です。 あの当時はまだ会社をやっていたころですが、Pro Tools の使い始めでもあり、メンバーと一緒に試行錯誤しながら楽しくレコーディングしていたのを今でも懐かしく思い出します。 テクノ系という今の僕には珍しいジャンルですが、あのレコーディングでいろいろな技術を身につけたような気がします。 こうやってまた声がかかるのは嬉しいですね、お久しぶりです。
JASCO はねじ君が HONDALADY 脱退後に結成したバンドで、今回僕は録りの一部とミックス以降を担当します。 今日からのレコーディングは高円寺の Studio Posh Me にてラップとギターを録りました。 右下がラップ録りの写真、最初は歌録りなどに使うスタンダードなマイク、ノイマン U-87 を試したのですが、なぜか ATS さんのラップ声には詰まり気味に録れてしまうような感じがしたので、持参した最近愛用の MEARI に替えたところこっちの方がジャズト・フィットでした。 しかし、絵的には細い MEARI のマイクはなんか寂しいですね(笑)。
HONDALADY の時もそうでしたが、今回もねじ君が大量のナゲットをケータリングとして用意してくれました、ごちそうさまです。

ハナ 2007.3.20

今年も金剛山歌劇団のレコーディングが始まりました。 といっても、今年は器楽部のみなさんとの録音はなさそう、ちょっと残念です。 今回のものは 全 明華(チョン・ミョンファ)さんのCD、しかし、新しいアルバムではなく、一昨年作ったものやその他の音源などとの組み合わせで、韓国で発売するCDのためのレコーディングです。 今回録るのは全部で5曲、すべてピアノ伴奏でした。 他の音源は管弦楽の伴奏なので、組み合わせるとちょうどいいバランスになるのでしょう。
5曲は民謡アレンジあり、オリジナル曲(最近の曲ということです)あり、どれも素敵だったのですが、その中でも「ハナ」という曲に心打たれました。 在日の女性が作ったということ、「ハナ」とは「一つ」という意味だ、ということ、この説明だけで、この曲がどういう内容を歌っているのかわかると思います。 僕たちは同じアジア人です。 いつの日か、お互いの国を自由に往き来し、お互いの財産である文化を共有し合える、そんな日がそう遠くない時期に来るといいですね。
歌録りには、朝鮮のメーカー MEARI のマイクを使いました。 最初は違うマイクを使っていたのですが、MEARI に変えてみたところ好結果でした。 写真を撮らせて、とお願いしたら、なぜかこんな表情をしてくれました(笑)。 二日間で無事レコーディングは終了、ミックスへと進みます。 おつかれさまでした。

小金井橋架け替え 2007.3.15

最近は毎日寒いですね。 今年は暖冬で、桜の開花も早くなるようですが、小金井公園の桜はまだまだつぼみがふくらみだした程度です。
Studio CM Punch は五日市街道と小金井街道が交差する小金井橋交差点近くにあるのですが、この小金井橋を架け替えるという工事を今やっています。写真右下にあるように、木を切って、一旦仮設の橋を横に作るようです。 見慣れた玉川上水の景色が日に日に少しずつ変わっていってます。 また、中央線武蔵小金井駅は線路の高架化工事をしていて、まもなく片方の線路が高架になるようです。駅南口の再開発も進んでいて、新しい公会堂やショッピング・モールができるようです。 いまひとつパっとしない駅周辺に活気が出てくるのは良いと思うのですが、見慣れた景色が大きく変わってしまうのは、なかなか複雑な心境でもありますね。

サイケ、フラワー・ポップ、そしてフォーク 2007.3.11

僕がマスタリングをしているエアー・メイル・レコーディングス今月の新譜第1弾は、好評のブリティッシュ・レジェンド・コレクション Vol.37、「サイケデリックからフォークへの変遷と英国音楽の時代性」と題して、ポール・ブレット関連の5タイトルです。
まずはヴェルヴェッド・オペラが2タイトル(写真は 1st.「Elmer Gantry's Velvet Opera」)、ポール・ブレットはセカンドからの参加になります。 この2枚はサイケデリック・ポップ、フラワー・ポップの香りでいっぱい、かなりカッコいいです。 1st. の2曲目「Mother Writes」ではこのタイトルが最初センターから聴こえて、次に左右にディレイで振られる、という単純なエフェクトながら、すごく効果的です。 なんと 2nd. ではリーダーのエルマー・ガントリーが脱退してしまう、という潔さ。 ビートルズの「Eleanor Rigby」をサイケ色いっぱいでカバーしています。
そして、ポール・ブレットが Velvet Opera 脱退後に結成したグループ、Paul Brett's Sage のアルバムが3枚、こちらはサイケ色が薄れ、プログレッシブなアコースティック・フォークといった感じです。

秘湯での休日 2007.3.7

お休みをいただき、妻と温泉旅行に行ってきました。 いつもは、山梨県大月市の嵯峨塩館という宿にお世話になるのですが、ちょうど同じ日程で宿自体がお休み、ということで、今回初めて奥多摩の檜原村にある、たから荘というところに泊まってきました。 「日本秘湯を守る会」というところの会員宿です(嵯峨塩館も数年前まで会員でした)。 中央高速上野原インターから車で1時間ちょっと、途中地元のスーパーで買い物をしたりして午後2時頃奥多摩に到着、ちょっと近くを散策して、3時過ぎにチェック・インです。 写真の通り、飛騨の合掌造りにも似た、兜造りの屋根が特徴です。 檜原街道沿いで、近くには秋川渓流が流れ、街道はバイクでツーリングをしている人たちが多かったです。
お風呂は内湯のみですが、広い窓から秋川渓谷を臨むことができ、お湯も入った瞬間に肌がスベスベになった感じのする、なかなか良い湯でした。 平日ということで、お客さんは僕らの他に老夫婦一組のみ、たっぷりと何度もお湯につかりました。 山の幸中心の夕食はかなりの量で、大食いの僕らでもお腹いっぱいになるくらいの量、とても美味しかったです。
帰りは檜原街道から青梅街道・五日市街道へとずっと一般道で帰りましたが、混んでなかったこともあり、意外とすんなり小金井へ。 さすがに東京都ということで、そんなに遠くないのですね。 楽しい休日でした。

ファイル転送サービス 2007.3.4

マスタリングする元の音源は、たいていの場合アーチストさんから、もしくはレーベルさんから CD-R で送られてきます。 以前は DAT テープというのも多かったのですが、デッキによってきちんと再生されなかったりするので、 最近では CD-R を推奨しています。 オーディオでも、データでも、どちらでもかまいません。 ハイ・サンプリングのデータがある場合は、その方が良いかもしれません。 そして最近では、サーバーにファイルをアップロードしてもらい、それを僕が Studio CM Punch の iMac でダウンロードして、というファイルでの受け取りも行われるようになりました。 この方法は締め切りの関係で今すぐに音がほしい場合などには便利です。 しかし、僕はあまりこのやり方が好きではありません。 iMac でダウンロードしてからは、仕事用の Intel-Mac に移すために USB メモリにデータをコピーするわけですが、この USB メモリ、すでに僕が持っているものなわけで、ファイル名と拡張子くらいしかないそのデータからは、アーチストさんの愛着などが感じられないからです。 もちろん、この方法しか物理的に無理な場合もありますし、海外の大手のマスタリング・スタジオなどでもファイル転送を公式な受け渡しにしているところもあるわけで、進歩した技術の恩恵を受けるのが嫌だ、というわけではありませんが。
ありがたいことに、僕のクライアントさんの多くはわざわざここ Studio CM Punch まで音源を届けに来てくれます。 昨年のことですが、キングラスホッパーズはなんと名古屋から来てくれました。 コーヒーなど飲みながら世間話をしたりして、なんとなく親睦が深まったりもします。 僕からは宅急便やメール便などでマスタリングした音を送ったりするわけですが、集荷に来てもらったりせずに、営業所まで出向きます(近いから、というのもありますが)。 そこでなじみのドライバーさんに挨拶したり、なじみの受付の人に挨拶したりすることによって、自分はここ小金井市で仕事をしてるんだなぁ、ということや、天気や四季の移り変わりを実感し、大袈裟に言ってしまえば、生きていることを実感するわけです。 そして、「魂こめてマスタリングしたこの音を、どうかきちんと届けてください」とお願いするのです。
こういった心のこもったやりとりが、僕は好きなのです。

というわけで、今まで書いてきたこととまったく関係ありませんが、我が家の愛犬・大豆の、この冬一番のお気に入りの写真です。 心をこめれば犬にも通じるのでしょうか、最近はまったく無抵抗になってきました(笑)。

ブルックリン・タバナクル・シンガーズ 2007.3.1

2月27日から3日間ライヴを楽しむ、ということでしたが、3日目の今日はブルックリン・タバナクル・シンガーズのコンサートを観に、川口リリア・ホールに行ってきました。
本来はブルックリン・タバナクル・クワイアというゴスペル・クワイアなのですが、全部で200名前後のマス・クワイア(巨大なクワイアという意味です)なのでとても全員の来日は無理なのでしょう、小編成のシンガーズという形態になっての来日でした。
シンガーはソプラノ・アルトが各5名、テナーが4名、普段はディレクターのキャロル・シンバラさんもシンガーズの中にいました。 このクワイアの特徴は黒人だけでもなく、白人だけでもなく、様々な人種で構成されていること、それからキャロルさんの統制による信じられないくらい完璧に合った歌声です。 メンバーの多くはかつてドラッグなどの問題を抱えていて、そういった過去の過ちを、信仰によって、そしてもちろん本人達の努力によって克服している、ということでも有名です。
CDを何枚か持っているので、演奏した曲の半分くらいは知っている曲でした。 シンガーズの歌声はさすがに素晴らしかったです。 バンドは5人編成だったのですが、バラードの曲になると、なんと信じられないことにいつの間にかいなくなっていて、オケはカラオケが流れていました。 さすがにこれにはガッカリです。 僕は生演奏を、生の感動を味わうために行ったのに … 。 確かにここのクワイアのバラードはすごくアレンジがこっていてオーケストラっぽい感じになっているので、5人のバンドで演奏するのは難しい、というのは充分理解できますが、それにしてもカラオケが流れた瞬間、やはり空気感の欠如が僕には気になってしまいました。
それから、いつもゴスペルのライヴに行くと感じてしまうのですが、信仰にしろ、演奏による感動、それから愛情などの感情、これらはすべてけっして押しつけるものではないのでは、ということです。 僕にとっては、ちょっと残念なライヴでした。
この3日間で印象に残ったのは、やはりドレスデン聖十字架合唱団の歌声です。 ある意味これもゴスペルといって良いと思いますが、本当に素晴らしく、感動的でした。 生で彼らの歌声が聴けた、というのは良い経験だったと思います。

梅 2007.3.1

3月になりました。 Studio CM Punch がある小金井市桜町、すぐ近くに小金井公園という桜の名所がありますが、この時期は梅もきれいで、白・赤・黄色の梅が楽しめます。 毎日愛犬大豆の散歩で小金井公園を歩いてますが、四季の移り変わりが実感できます。
さて近況報告です。 2月はいくつかレコーディングがありましたが、今月も中旬から2つほど、新しいプロジェクトが始まる予定です。
マスタリングでは、いつものようにエアー・メイル・レコーディングスさんのものを中心にいくつか単発のものが入る予定です。 今は4月リリース予定の Vanity Fare、The Artwoods、Tramp などを進めています。

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